体への意識

もうすぐ三十代が終わる。三十代半ばごろから「体への意識が私は低い」ということを自覚する場面に何度も見舞われた。膝を傷めたり、ぎっくり腰になったり、またコロナに先秋かかったあと疲労感が強くなり、どうしたものかと思っていた。

そんななか、先日の日記で書いた友人(Mちゃんとしよう)宅に泊まりにいったとき、夜一緒にストレッチをする機会があった。彼女は趣味でフラダンスを十年続けていたり、学生時代はテニスをやっていたりして、体を使うことへの関心が私よりも高い。

ストレッチで足の裏や股関節をほぐしたあと、寝間着のまま寝転がってMちゃんに全身マッサージをしてもらった。

「運動はしてる?」と聞かれて「歩くのは結構やっているけど」と言ったら「歩くのは体の一部の箇所しか使わないから、いろんな体の箇所を使うといいね」とアドバイスをもらった。

その流れで「私は体への意識が低くて、どうしたら高くなるかな」ということを聞いた。

そのときのMちゃんの答えが秀逸だったのだ。

「さとちゃん、快楽には弱いでしょう? 体をきちんとほぐして、軽くて気持ちいい状態を知ったら、戻れなくなるよ」

は!……なるほど、と思った。学生時代から私のことを知っているだけあって、Mちゃんはよくわかっている。たしかに私は、快楽に弱い。誰かを好きになってぽーっとしたり、美味しい食べものに目がなかったり、まあ弱い。

マッサージのあと、あてがわれたお部屋で熟睡した。

東京旅行はいろいろな人に会えて楽しく、富山に戻ってからも余韻が続いた。

そして今日、一人でストレッチをyoutube動画を見てゆっくりストレッチをした。いつもなら「面倒だし億劫」という意識が先に立ち、すぐに飽きてしまうのだが、今日は「体を伸ばす気持ちよさ」に意識を向けてみた。

終わったあとは、体がぽかぽかして、背すじが伸びた感じがした。いままで気持ちよさに目を向けなかったけど、この気持ちよさをモチベーションにすれば、続けることができるかもしれない。

また、Mちゃんにいろいろなことを習いたいな、と思った。


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