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新しい服にこれから着替えるタイミング

小さい頃から、ずっと物語を書く人になりたかった。そう親や周りに公言しつつも、私は子ども時代から二十代半ばくらいまで、ずっと上手く物語を描くことができなかった。

自分のなりたいものがあっても、必ずしもそれで食べて行けるほどの才能がない、ということも、人生にはざらにある、という事実を、私は三十年余りの生涯を通して、学んだように思う。

本は大好き、言葉も大好き、でも、物語を書くのは、いつだって、苦しくて仕方ない。がんばって描いても、ほとんどそれが、短く終わってしまう。8万字とか、10万字とかには、息切れを起こしてしまって届くことがない。

そうやって夢との苦しい戦いを続けていた二十代ごろ、私は自分の中にある、もう一つの夢に気が付き出すことになる。

それは「自分が好きだなって思った人に、心底素敵だなって思ってもらえる女性になりたい」という、心の中で「そんなんなれないよ」と思いつつも、ずっと根深く残っていた思いだった。

それは、小学生のとき好きだった男の子が、遠くに転校してしまい、いつか彼にもし再会できたときに「あー、素敵な大人になったね」って思ってほしい、という淡い初恋が由来の思いだ。

その男の子には、いまだ対面していないが、小さい頃に抱いた願いというものは、大人になってもくすぶりつづける。そうして、私は、日常生活で、素敵だな、と思う人に会う度(男でも女でも)「この人から見て、素敵な人になりたい(でも、現状なれてない)」という思いを抱くのだった。

いま、また家にいるのをやめて働き始めて、外に出て、いったんここで最初の夢「物語を書く人になる」を脇に置いておいて、もう一つの夢「素敵な大人になれるようにがんばる」を、叶え始めるタイミングなのかなあって思う。

それ、両立できないの?っていう人もいらっしゃると思うが、物語を真剣に書くということは、日常生活で、たくさんの時間を、犠牲にしなければならなかった。

私の考える「素敵な大人」になるためのあれこれの時間を、物語をしじゅう書いていては、どうしても捻出できないのだった。

物語をそれでも書くことに固執するほど、私の天分はなくて、だから、これから物語は、どうしても書きたいときだけ、noteにWEB発表していける週末書き手であれば、それでいいと思う。

「なりたい自分プロジェクト」のために、手を付けたいことがいまはいろいろあって、それをバランスよくやっていって、四十代、五十代を迎えていきたい。美容だったり、コーデだったり、料理だったり、家を整えることだったり、いろんなことに興味がある。着物を着られる人になりたい、というのも夢のひとつだ。

「なりたい自分になるために」いろんな方面で中途半端になっているコンプレックスをひとつひとつ解消していきたい。

そのプロジェクトが終わるとき、私にはもっと、いいものが書ける。いまはそう思っている。



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