AとB、異なる二つのものを混ぜ合わせて新しいものを作ること-「融合」。
そんな融合の姿を描いているのが、タロットカードの大アルカナ14番【節制】のカードです。

手にしている二つの杯が、異なるもの同士を混ぜ合わせているところなんですね。
カードの絵では液体を混ぜ合わせているのですが、液体は象徴で、異なる意見や価値観、感情、存在、役割など、何にでも例えることができます。

私はこう思っているけど、あなたはこう思っている。その違う二つの思いを融合して折り合いをつけたり、妥協点を見出したり、双方に寄り添ってみようとしたり…とこの行為こそが【節制】。うまくバランスをとって調整しようとしている姿なのです。

もともとは違うもの。自分の中にはないものを取り入れて、自分の中のあるものと混ぜていくことは、化学反応を起こして新しいものを生み出そうとしているので、反応中はモヤモヤしたり不安定だったり、こうかな？と様子を見たりするような少し中途半端さもあったりします。
でも、当然といえば当然。だって今までにないものを取り入れていますから、なじむまでに時間がかかることもあるのです。

カードに描かれている天使の足。片方は水に、もう片方は地につけています。水は精神的なもの、地は現実的なものを表していて、どちらに偏るでもなく中庸を示しています。これって大事よね。

今まさに融合の途中。それが自分にとってどんな効果があるのか、どんな結果になるのかはまだわからない。どんな化学反応が起きるのだろうと、バランスを取りながら試している【節制】。新しいものが生み出される前にはいつもこの【節制】の時期があるようですね。

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