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子どもには予知能力があるのかもしれない

私が産まれて間もない頃、東北地方で大地震が起きました。マグニチュード7.7。日本海中部地震です。この地震の発生時、母の一番上の兄は海へ出ていました。本当にその日たまたま。兄は津波にさらわれました。そしてそのまま帰りませんでした。

遺体は、早い段階で海から引き上げられたので、まだ身体も魚についばまれておらず、きれいなものだったそうです。葬儀が済んだあとのこと。淋しかったのでしょう。みんなが寝ているところへやって来たといいます。

奥さんのところには、寒い寒いと布団のなかに入ってきました。一番上の姉(言い忘れましたが母は六人兄弟の一番末です)のところには、姉が寝ようとすると、頬をふわりと触るのだそうです。

母については、これも不思議なことですが、霊感が強い伯母が言うには、母のような怖がりには怖がらせてはいけないと行かないのだそうです。

翌朝になると、みんなは兄貴が来た、兄貴が来たと話をしていたと言います。母も夜中に三番目の兄が、

「兄貴寝かせてくれよ~」

と言っていたのを聞いたそうです。

人間はあの世に帰る前、四十九日間は、この世とあの世を行き来することができ、その間に思い残したことなどを整理するといいますが、一番上の兄も同じで家族の元を訪れたのだと思います。

さて、その兄が亡くなる少し前のことです。当時三歳だった私の姉は、公園で砂遊びをしていました。伯母が何となく、何を作っているの?と聞いてみたところ、

「おじちゃんのお墓作ってるの!」

と答えたそうです。そのときは、なんて嫌なことを言う子だろうと思ったそうですが、亡くなってから振り返るとそういうことかと思ったとのことです。

日本海中部地震は5月26日に起きました。母の一番上の兄が死んだのは5月26日。何の縁か、私の父方の祖父が死んだ日も同じ5月26日なのだから不思議なものです。

秋田県能代市の海岸には今も日本海中部地震の慰霊碑があります

✿ 慰霊碑について親noteでも少し書いています

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