不思議な世界へようこそ
小学校五年生の夏でした。夜中になぜかふと目が覚めたのです。物音がしたわけでも、眠りが浅かったわけでもなく、ふと自然になぜか目を覚ましたという感じ。私の学習机の椅子の前で、男性がお皿を拭いているのが見えました。顔は髪で隠れていてよく見えませんでした。
(?????)
バーテンダーのようでした。腰から下はありませんでした。
私はそれが何だかよくわからないまま、寝返りを打つと仰向けになりました。すると今度は、足元のタンスの前で、教師と思われる男性が、タンスの扉を黒板代わりにチョークで数式を書いていました。後ろを向いていたので顔は見えません。オレンジ色のポロシャツを着ていました。足首から下は消えているように見えませんでした。
ここまで来るとさすがに事態を飲み込み始めました。怖いなと感じて目をつぶっていると、いつの間にか私は眠ってしまいました。
夜なのに妙に明るいような部屋の中。幽霊さんは、ぼんやり発光しているように見えました。アニメや映画でよく透けている表現をしますが、あんな感じ。肉体はないけれど実態はあるように感じました。
これが私の不思議体験の始まりです。それから中学生くらいまで、ときどき不思議なものを見たり経験したりするようになりました。
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