ホットケーキのようなお菓子

マーベラさんという肌の浅黒い、外国人女性が、母校の高校にいた。そこで、ホットケーキのようなお菓子を焼いていて、いつも生徒に振る舞っていた。ジャムの棚もあって、いろんなジャムを売っていた。ホットケーキのようなお菓子は無料で焼くが、ジャムは有料らしい。しかしマーベラさんの焼くホットケーキのようなお菓子は、ジャムをつけなくても美味しいことで評判だった。昼休みはよく忙しそうにしていた。私も、在校中、食べたことがある。しかし、口に合わず、「残念だけれど私の口に合わない」ということを正直に言ってしまった。

卒業して数年後、私はマーベラさんのジャムの棚の夢をみる。ジャムの瓶の中に蝶が閉じ込められている(蝶は見た目がそっくりなだけで食べられる)。私はそれが綺麗だと思った。もしかしたら、母校にも同じものがあるのかもしれない。と思い、私は母校に行った。

母校は文化祭だった。マーベラさんは以前のように働いていた。ジャムの棚は変わっていなかった。私は、蝶が入っている瓶のジャムがないことを少し残念に思った。
「昨日あなたの夢をみたんですよ」とマーベラさんに話しかけるが、あまり反応がない。
マーベラさんは生徒にホットケーキのようなお菓子を配る。私には配らない。
生徒が途切れた頃、マーベラさんはフライパンの中のパンくずをかきあつめて、私に差し出してきた。
かと思うと、ちょうどここにやってきた男性教師にパンくずを差し出した。私はかつて男性教師の教え子だったので、知り合いだ。「俺が貰っていいのか」と男性教師は困惑し、マーベラさんは「この子、私のケーキを評価しないから」と言った。
その後、私は夢の話を持ち出して、マーベラさんの気を引こうと頑張るが、効果はなかった。

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