色鉛筆

中学生か高校生。体育館で授業。
みんなで輪になって体育教師の話を聞いている。

私たちは色鉛筆を持っている。色鉛筆の番号は、「ジャックの8」のように、トランプの数字になっている。
先生が、「ジャックの38を持っている奴はいるか」と私たちに尋ねる。私はジャックの38の色鉛筆を持っているが、名乗り出せない。他のクラスメートが「持っている!」と手を上げた。
このようにして、色鉛筆の番号は読み上げられていった。色鉛筆が自分の持っているものと一致した場合、先生は色鉛筆を一本くれる。

ジャックの38は、何回か読み上げられたが、私は最後まで「自分が持っている」と言い出せなかった。

読み上げ終わり。先生が「読み上げられなかった奴はいるか?」と私たちに尋ねた。私は手を上げた。輪になっている他のクラスメートの何人かも手を上げた。
すると、先生は「じゃあ、授業はこれでおしまい!」と、授業らしい授業もせず、終わらせてしまった。私たちクラスメートは、ラッキーだと思って感嘆の声をあげる。

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