手形(紙)が無くなっても失いたくないもの

こんにちは。星のきのこです。

今回は中小企業の経理事務として約束手形への思いについて、発信したいと思います。

約束手形とは、将来の一定期日に支払うことを約束した有価証券(紙)のことです。


今年の2月頃、経済産業省より2026年度を目処に、手形を廃止する方向であるという報道がありました。

手形を現在利用している経理の方、経営者の方、どのように感じたのでしょうか。

私としては、
やはり、
ついに、
そうか…です。

やはり、ついに、というのは、
はんこレスやデジタル化、テレワークを推進している世の中で、紙で支払をする手形はいずれなくなると少なからず思っていたからです。

そうか…というのは、
手形からの切り替えを考えていかなければならないと自分に言い聞かせる決意のようなものです。
といっても年内で退職予定ですので、後任の方が困らないように少しずつ手形を減らして電子記録債権(インターネット上の手形のようなもの)に切り替えていこうと考えています。

でも、手形が無くなるかもと知って、1番思ったことは、「寂しい」かもしれません。

現在、私の会社は毎月の支払が手形40~70枚くらい、現金振込が70件くらいあります。

現金振込は、ネットバンキングで手続きをしてすぐ終わるのですが、

手形は、手間がかかります。
①手形を作成、印紙を貼って、印鑑を押して、
②郵送するのであれば、封筒と同封する送付状を作成し、郵便局へ
③集金に来るならば、電話やFAXで連絡
④相手から領収書を(郵送であれば場合によって切手等の郵送料も)回収


また、売上の代金として受け取る手形も毎月5~10枚程あります。

①手形を受け取ったら領収書を渡す、もしくは郵送する。
②毎月銀行の営業員さんに来て頂き、期日に資金化してもらうように手形を預ける。

文字にすると、やはり現金での振込、入金との手間の差があります。

ただ、
手間がかかるからこそ、
人同士のやり取りが良いなと思うことがあります。

支払う面から良いなと思うところは、
①集金に来てもらうことで、相手と直接会話をして信頼感が生まれる。
→特に何もなければ、相手の経理や営業員と会話をすることはほとんどありません。経理同士で連絡を取らなければいけない時というのは、金額が合わない、振込先の変更等、重要な時が多いです。普段から手形のことで会話をしていると、こういった時も連絡が取りやすいなと感じます。

②領収書の返送時に、封筒や送付状の書き方の違い多様な切手を受け取れることにワクワクする。
→丁寧に手書きで「ご入金ありがとうございます。」と書かれていると、私も嬉しくなります。珍しい期間限定の切手を送って頂けると、こんな切手もあるのかと新しい発見があります。切手を入れる袋もキャラクターもの(キティちゃんや、キキララ等)のチャック袋や、柄物の小さな封筒等、個性豊かです。封筒や領収書の色や形、相手の手書きの文字、いろんな人と関わっているなと感じます。

受け取る面から良いなと思うことは、
①支払う時と同様に、相手と直接やり取りをするので信頼感がある。

②手形を銀行の営業員に預ける際に、何気ない話や会社の経営状況等を話し、経営面で困った時も相談しやすい
→大きな支払がある時に銀行から資金を借りることもあります。普段から話している営業員には相談しやすく、あの時相談して早めに借りてて良かったと思うこともありました。


手形が無くなって、
いろんな形で働きやすくなり、大手企業から中小企業への資金繰りも良くなるのかもしれません。

けれど、
ネットバンキングからの入出金や手形に代わる電子記録債権も人と人のやり取りだということ、相手への思いやりを忘れないようにしたいと思います。

手形から電子記録債権に切り替えていく過程等は、また後日書きたいなと思っています。

長文、読んで頂き、ありがとうございます。

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