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記憶にある音(バイオリン★動画)

いま使っている楽器とは、今年で11年の付き合いになる。

10代の頃からお世話になっている楽器職人さんに、わたしのイメージで作って頂いた、大切な楽器だ。

前に使っていた楽器は親に買って頂いた楽器なので、どなたか必要な方へ譲渡し、お金は親へお返しして、今度は自分が働いたお金で新しい楽器を買おう、と意気揚々としていた。

前の楽器は近現代では名の知れた、イタリアの楽器製作者だったのだけれど、晩年の作品ということもあってか、悲しみや切なさの表現が得意な一方、明るい音を出すのに苦労したのを覚えている。あるいはただ単に、わたしが抱える内面の悲しみに、共鳴していただけなのかもしれない。

とはいえ20年の苦楽を共にしたお付き合い。お別れをする最後の晩は、感謝の気持ちがとめどもなくこみ上げてきて、なんともいえない気持ちになった。

先日、ソロリサイタルのアンコール曲を迷っているというお話を生徒さんにしたところ

「刹那」が聴きたいです。

と言われ、はて?と思った。(自分の動画はオエっとなるので見ない)

恐る恐る確認してみると、同級生の作曲家、中村有紀子ちゃんとの演奏が残っていた。そしてそれは、前の楽器で舞台を踏んだ最後の演奏でもあった。

以前のコラムでは、録音したものよりライブが断然好きだと書いたけれど、こうして残っていてくれて、なんだかとても嬉しかった。

ちょっと考え方をかえてみよう。

記憶にある懐かしい思い出の音、よかったら聴いてください。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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