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生命の瞬きを閉じ込める

先日、aiさんの素敵な作品が、おうちに届きました。

お部屋の中にパッと春の息吹を感じる、サクラとビオラの押し花カード。

なんと美しく、可愛らしいのでしょう!

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aiさんの作品は、生命の瞬間を、そのまま平面の中に繋いでいるかのよう。

生き生きと立体的で、今にも香りがしそうな押し花は、誰にも真似できない、愛から生まれた手仕事だと思います。

お花たちもニコニコと喜んでいるのが伝わってきて、とても嬉しくなりました。額に入れて、これからも大切に飾らせていただきます。

さて、わたしたち音楽家は、楽譜という平面から音を再構築します。

小説からイマジネーションが広がるように、楽譜から立体の音を復元するのが、音楽家の仕事です。

音楽家に絶対音感が必須なのは、スコア(総譜)から和声を脳内で鳴らして、響きを読み解くため。

最近は、その工程をすっ飛ばして、最初から安易に音源を聴いてしまう音楽家も多いのだけれど、モーツァルトだって、バッハだって、当時は誰も聴いたことのない、前衛的な現代音楽だったわけです。

演奏家がイマジネーションを働かせて、試行錯誤してきた手順に敬意を表して、たとえ稚拙でも、間違っていても、わたしは同じ工程を歩みたい。

そしてまた、自分自身が弱い人間だと自覚しているので、巨匠たちの素晴らしい演奏を聴いたあとで、影響されずにいられる自信がない、というのもあります(笑)

ハリーポッターの原作を読む前に、映画を観てしまったら、そのあとで原作を読んでも、頭に思い浮かぶハリーは、ダニエル・ラドクリフですし、ハー・マイオニーはエマ・ワトソン以外、考えられなくなるように。

逆に、赤毛のアンを熟読していて、自分の中に「アン」がとてもリアルに創造できてしまったら、この女優さんのイメージはちょっと違うな、なんていうこともありますよね。

他人の青写真をコピーする必要などなく、わたしはあなたが感じた、あなただけの世界が知りたいですし、わたしは、わたしが感じている世界を知ってほしい。

そのために、わたしは、わたしというエゴを脇へ置いて、時空を超えて、巫女のように作曲家と繋がり、これからも愛と思いやりに基づいた音を届けたいと思います。

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最近は、同級生のバイオリニストさんにお誘い頂いて、近現代の曲をさらっております。1曲は数年前に世界初演したK氏の曲。難しすぎて、お手本の音源があれば聴きたいぐらいなのですが(笑)7月に公開予定です。

きょうもあしたも素敵な一日を✨

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