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はかない 2さいじ (エッセイ)

2歳になる息子が、おむつを履かない。
お風呂上がり、おむつ替えの時、なぜか頑なに新しいおむつを履くことを拒む。

この前の週末、久しぶりに一緒にお風呂に入った。
お風呂にブロックや水鉄砲、濡れてもいいおもちゃをしこたま持ち込んで、一緒に楽しく、遊びながら入った。息子はいつのまにか、シャンプーも嫌がらないし、お風呂に潜ることさえできるようになっていた。父親としてはそれはそれは嬉しくて、うんうん、大きくなったもんだ、なんて思いながら、さてあがろうとなる。

「よし、じゃあ、きがえよう、Pちゃん(息子のあだ名)。ほれ、まずはおむつね。」

となった途端、いや!と棒のように足をつっぱらせて、おむつを履かない。

なんで履かないの?

と優しく聞いてみると、

「だって、ゆうせいくんもはいてないもん」

とのこと。

どうやら、保育園が一緒のユウセイくんは、もうおむつを卒業したようで、それが悔しかったのか、それとも自分だけ幼稚に感じたのかわからないが、おむつを履きたくないようだった。

少し悩んだ。
ここで力づくでおむつを履かせることもできるが、それだと彼のプライドを傷つけてしまうかもれない。

おむつを履かずに一回失敗してもいいじゃないか。そうだ、おもらししたとしても、ズボンが濡れるくらい、俺が片付けてやろう。

そう想って、「よし、じゃあおむつ履かないで過ごしてみるかね。もしおしっこしたくなったらさ、パパに言うんだよ?いいかい、パパとPちゃんの秘密だからね!」


そう言うと、息子は「うん!」と笑顔で答えた。



答えながら、その場で、勢い良くおしっこをした。



なんとも儚かった。




もしサポートいただけたら、こどものおむつ代にさせていただきます。はやくトイレトレーニングもさせなきゃなのですが...