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『ヴンダーカンマー』が発売されました。




14年前、夫の仕事の都合で東京から姫路に引っ越した私は孤独でした。現在中学三年生の娘はまだ〇歳で、育児の合間に自分の既読のマンガや小説を読んでいました。娘がすくすくと育って、三年保育のこども園に入ると私は完全に時間を持て余していました。もう自分が持っているものは読みつくしていました。

そのころはいわゆるケータイ小説がテレビで話題になり始めていました。要するに大ヒット作が出て、話題になっていたのです。そういうものがあるのか。と思って自分のガラケーで検索してヒットしたのがモバゲータウンの小説コーナーでした。登録してからしばらくはあまり興味惹かれず、パピレスさんがガラケーでハーレクイン小説を配信していたので課金して読んでいました。ええ、その課金、当時専業主婦だった私としてはかなり罪悪感を抱く金額でした(泣)今も夫は知りません(言えない。まじで言えない)当時はガラケーで小説が買える読めるサイトが少なかったと思います。

ちなみに、私のハーレクインおすすめ作家はリン・グレアム、ペニー・ジョーダン、ミシェル・リード、ルーシー・モンロー、ジェニー・ルーカス、ジャクリーン・バード、ミランダ・リー、マヤ・バンクス、ビィッキー・L・トンプソン、サンドラ・マートン、ルーシー・ゴードン……。

ちょっと、ここらへんで、どなたかに突っ込んでいただきたいのですが(笑)はい。ある時自分的にヤバいなと。客観的にヤバいなとなんとなく思ったのです。ロマンス小説は面白いし確実に現実逃避させてくれるのですが、ちょっと依存症みたいになってるなと(笑)

なので最初はあまり興味をひかれなかったのですが、とりあえず、何となくタイトルに惹かれて読んだのが現在めちゃコミックスでコミカライズが配信されている『インザクローゼット』でした。いつも更新を待ち構えるくらいめちゃくちゃはまりました。

それからモバゲータウンの小説コーナーで上位ランキングの作品を読んだり完結作品を読んでいるうちに。ふと、私も書いてみようかなと思ったのです。

恋愛小説なら書きやすいかもと思ってはじめのころは恋愛小説を書いていましたが、モバゲータウンの小説クリエイターのサークルを運営していたHさんという方に「星月さんは恋愛以外も書いた方がいいよ。書けるから。ミステリーとかどう?」そう言われて書いたのがサスペンス作品の『ロンギング』です。このころ位にたぶんモバゲーからエブリスタに移行するという大事件もありました。当時は使っているケータイのキャリアの違いでスターの投げれる数(noteでいうところのいいね!がいっぱいおせるかんじです)が違うという長年auを使っている私にはちょっとストレス……。いいえ。かなりのストレスでした。(エブリスタの運営様ごめんなさい、でも当時はそう感じていました)どうも、ランキングも仕組みがよく分からなくてそれもストレスだったんですよね。

なので、この作品をmixiの携帯小説アプリで連載を開始します。でも、モバゲーで書きなれている私としてはこのmixiのアプリはとても使いづらかった。なので結局モバゲーで書いてそれをコピーして、mixiで更新していました。

ところが、そうこうしているうちに……。このmixiの携帯小説アプリ……。

終了!!!!!

人文カテゴリで一位だったけれど撤退です。でもこちらにいた読者様をモバゲーの小説コーナーに来ていただくことができました。モバゲーとエブリスタ。まったく同じ作品が同じように更新されるのにランキングが違いました。そうこうしているうちに私は現在五年生の息子を妊娠、さらに家庭の事情でものすごく忙しくなり、頭の中がせわしなくいつも疲れていて、『ロンギング』の更新ができなくなりました。

スターは私の悩みの種だったので、正直スターに励まされる日が来るとは思わなかったんです。でも、毎日投げてくれる方がいらっしゃいました。例えばこのnoteに毎日いいねが押せたとしても毎日押すのはかなり大変だと思いますし、毎日常に作品の更新を気にかけてくれているというのが、いつかはもどらないと。と勇気づけて貰っていました。

そしていろんなことが落ち着いた頃、私の友人クリエイターの書籍化がきまり、本当に嬉しかったのと同時に、私も書こうとようやく重い腰を上げたのです。戻ってからの読者様のコメントやレビューは本当に温かかいものでした。

それからコツコツ書いているうちにエブリスタで開催される賞レースの最終選考に残れるようになってきました。私は好きな作家さんがインタビューか何かで子どものころから小説を書いていたと聞いて、十年書いてデビューできたらいいなと思っていましたが、八年目で突然書籍化のお知らせのメールが来たんです。

それが『三毛猫カフェ トリコロール』でした。それから私がどうしても行きたかった「石田衣良小説家養成プログラム」の選抜メンバーに選ばれました。合計三回の指導を受けましたがこのプログラムでの経験がいまも贅沢な肥やしになっています。

あれ? 私、以前あんなにエブリスタのスターでぷりぷり怒っていたけど、気づいてみればエブリスタとスターと読者様が私の夢を沢山かなえてくれたのです。

そして、今回『ヴンダーカンマー』が「第1回最恐小説大賞」を受賞することができました。本当にいろんなことに挑戦した作品なのでぜひ書籍を読んでいただきたいです。よろしくお願いいたします。

↑こちらはインタビューになっていますのでぜひご覧ください。


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#小説





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