部分的に正しい、矛盾意見の保留、統計は科学ではない、物理的にありえるかどうか

「読者よ、がんと闘うな。」
これは故、近藤誠医師の有名な発言の単なるオマージュ。
近藤氏の最後の著作が以下の書籍、

書籍 健康不安に殺されるな 近藤誠
近藤誠 2023遺稿出版 健康不安に殺されるな

近藤誠氏は、多くの著作を通じて、がんという病気への対処法を紹介し、また間違った医療政策や統計の矛盾、主流派の唱える定説の否定を行っていた。
近藤氏はウイルス学や遺伝子工学の専門家ではないが、新型コロナ問題についても本書で触れている。

近藤氏の主張の全てが正しいとは思わないが、少なくとも他の人物よりは、事実により近い適切な解説をしてくれていると、本を読む前から期待できる、それくらい実績がある人物。

近藤氏の本は読みやすく、高校生物学程度の基礎知識があれば読んでいけるようになっている。それでいて、その主張に矛盾点は少ない。全く無いわけではないが、他のがん問題の一般むけ書籍に比べて、矛盾が少なく多くの疑問に答えてくれている。
近藤氏の書籍を丸ごと、高校生物の副読書にでもできないものか、、、。

本書の第1章40ページほどで、近藤氏が体験してきたがん治療とその矛盾、より適切であろう対処法について簡単に書かれている。

がんという病気を調べることが必要になった時、その候補に、近藤氏の著作は間違いなく複数冊入ってくる。

しかしがんに限らず全ての疑問に100%正解を教えてくれる本や人物は存在せず、この世の全員が部分的な解決策を知っているに過ぎない。
一見詳しそうな人でも、その意見は部分的に正しいだけ。

矛盾意見の保留とは、一見正しく適切な意見を言っている人物でも、よくよく検討するとその意見同士は互いに矛盾している場合がある。
ある本での意見と、異なる意見を別な本で主張していたりという様に。

一見正しく優れた人物でも矛盾することがある。そのような矛盾は無視するのではなく、保留しておいて後にその疑問矛盾が解決する時を待てばいい。
矛盾した意見は無視してどちらか一方を正しいと思い込むのではなく、判断を保留するのが良い。

近藤氏の書籍に限らず、様々な統計を目にするが、コロナだろうとガンだろうと他のなんであっても、統計は科学ではない、という基本を忘れない事。

統計は単なるデータであり、そしてそのデータも集計方法があいまいであったり不正確であったりする事が多い。統計データを見た途端にそれが正しく事実であると思い込む人もいるようだが、統計は単なるデータでしかない。その解釈は見る人によって異なるし、データ集計方法に細工をして予め特定の人物が得するような結論を出すためだけの統計グラフ、も無数に存在する。

物理的にありえるかとは、ある意見やデータが一見正しそうでも、よくよく考えるとそれが物理的に絶対ありえないような事であり、決して起らない事を忘れて目先の意見に夢中になってしまうことに注意するためのもの。

新型コロナ騒動では多くの日本人が大手テレビ局の発信する意見のみに夢中になり、それ以外の、テレビに出演依頼が来ないような近藤誠氏のような日陰者の意見を無視してしまう、ということが実際に起きた。

テレビの意見はテレビ出演者の意見でしかなく、そしてテレビには近藤誠氏のような日陰者はそもそも出演できない。ニュース番組のコメンテーターの座席は、近藤誠氏にオファーが来ることは決して無かった。

この世から病気が無くなる事は近い未来にも決して起らないはずだが、テレビを見ている多くの人は、新型コロナという特定の種類の病気にだけ夢中になり、それ以外の病気や事故や事件を無視して3年間を過ごしてしまった。

新型コロナという感染症が仮に実在するとして、それが多くの人の死因になることはあり得ただろうか。アフリカでは全く流行しない謎の新型感染症で、日本人が次々に道路で倒れて亡くなるなどということが、物理的にあり得ただろうか。

結局新型コロナは、西欧文明圏内、特に2023年の日本と台湾で流行が続き、その他の国ではもはやマスクをする人もいなくなってしまった。
日本と台湾で多くの人がマスクをしないと生活するのが難しい病気が、それ以外の国では流行しないなどという不思議なことが、本当に物理的にあり得るのだろうか。

新型コロナは外国の研究所で作られたという説があるようで、最近はアメリカ疾病予防センターの高官もそのようにメディア発言している様子だが、では人工ウイルスだとしてそれは、日本と台湾でだけ流行が続く特殊な民族ターゲットウイルスなのだろうか。

近藤氏の書籍ではここまで皮肉めいた主張はしていないが、第2章で新型コロナが実質的に普通の風邪であることを、ページを割いて解説している。

近藤誠氏の全てが正しいわけではないが、
近藤氏の意見にも矛盾や間違いはあるが、
しかし今後、ガンになる人がさらに増えると考えられる日本において、
近藤氏の数々の著作はますます引く手あまたに
なるに違いない。

ガンと闘おうとするな、という近藤氏の主張はかならずその時に、支えになるだろう。






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