30歳を過ぎると新しい経験が増えない

っていうタイトルをどこかで見て、マジかー、と思わずため息をついた。
30ともなると、新しい事や生活の変化なんてそうそう起きないし20代のような何もかも始めて、というフレッシュさはなくなり、年齢を考えて保守的になるという内容だったと思う。

30とかもう結構前に過ぎたなー、とぼんやり考えて30歳からの自分が何やってたかを考えてみたんです。

そしたら、20代の時より全然新しいことやってた。

同棲をはじめたり農家やったりビキニを始めて着たのもその頃だし、つい最近だと20年近く使ってた眼鏡の代わりに、始めてコンタクトを入れてみた。ピアスもそろそろ開けていいんじゃないかと思ってる。(やった事無い)

理由付けするのに数字って便利な物で、20代だから、とか30代だから、という風にとりあえず数字出しとけばその年代に注目されやすいし、あわよくば共感が得られたりして便利なんだけど、それはそれで問題があって。

個人差まで考えて書かれてないんですよね。
マジョリティーに届けばいい内容なので当たり前ですけど。

そういう数字の絡んだ記事を読むと、恐らく世の中の大半は20代のうちに新しい事を済ませているんだろうな、という『世の中の前提』が見えてくる。

でもそうすると、マイノリティーの人はつっこまずにはいられないんだ。

若いからって新しい事に柔軟なわけじゃないし、むしろ若さがネックになる事もある。
私の場合、10代後半〜20代前半という一番「若い」といわれる時期にスカートがはけなかった。さらにいうと、小学生以降制服以外でスカートをはく事が無理だった。みんながしている事をすると、おのずと比べられる。
タダでさえ自意識過剰だったので、そういうのは嫌だと思ったのだ。

30過ぎるとなんだかどうでも良くなって、体重が7キロほど増えたにもかかわらず、絶対着れないと思ってたビキニも二の腕むき出しの服も平気になった。

もちろん中には単純に興味が無かった事からやらなかった事もある。
恋愛もその一つだ。
これに関しては未だに興味が無いし、今でも同棲しているのが不思議である。
恋愛しなくても同棲はできる、という事を新しく学んだ事になる。

「○歳までにしなければいけない5つの事」みたいなタイトルの本を日本の本屋で見かけるたびに、なんでそんなに生き急ぐんだろう?って思ってて。

何歳までにって期限つけて、ひたすらそれに沿って行動を起こすとか…そんな夏休みのスケジュールみたいに人生作って楽しく生きられるの?

『こうしなきゃいけない』『この年齢までにはこうなっていないと駄目』。
それって、願望というよりも義務になっちゃってませんか。

義務って、やっても楽しくないじゃないですか。

やらなきゃいけない事をやってるだけじゃ、幸せになれない。
義務だから、やって当たり前だから、できて当たり前だから、という自分を粗末にする考え方だと幸せの方が逃げていく。

「やりたいからやる」。子供の時いつもそうしてたように。
後悔の代わりに学びがあった。達成感があった。なによりも自分がやりたい事をやっている、という興奮でわくわくしてて、楽しかった。失敗しても成功しても、その瞬間が楽しすぎてどうでもよかった。

数字を気にしてしまう人は、「もういい歳なんだから」「もう大人だから」という呪いから目覚めると、若くなりますよ。

「しなきゃいけない」じゃなくて「したい」という気持ちを大切に。

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