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Dr.STONEになぜマーケティングのプロは出てこなかったのか

はじめに

アイザックでCOOをやっている細田です。マーケを中心にビジネスサイド全般を見ています。最近Dr.STONEという超有名漫画を一気読みして最高だったんですが、いろんな職種のプロが出てくる中でマーケターが出てこなかったので記事にしてみました。あくまでもカジュアルな内容&漫画読んでないとわかんないかもなのでもろもろご容赦ください!

Dr.STONEってなに?

下記のようなストーリーで人類が全員石化して崩壊してしまった世界でイチから文明を作っていくにはどうするべきなのかを主人公の圧倒的な科学力を中心に描いた作品です。

「Dr. STONE(ドクターストーン)」は、原作:稲垣理一郎(原作)、作画:Boichi(作画)による日本の漫画作品で、アニメ化もされています。以下に、物語の概要を簡単に紹介します。
物語は、突如として地球上の人類全てが石化してしまう謎の現象が起こった後に始まります。数千年後、主人公の千空・石神千空(Senku Ishigami)が石化から目を覚ますところから物語が展開します。
千空は天才的な頭脳を持つ科学者であり、彼の目標は文明を再興することです。彼は友達である大木大樹と小川杠、そして物語の中で新たな仲間たちと共に、石化の謎を解明し、科学技術を駆使して徐々に文明を復興していきます。
物語は科学と冒険が絡み合いながら進み、新たな仲間や敵との出会いが織り成すストーリーが展開されます。千空は様々な発明や科学的な知識を駆使して、原始的な世界での生活を向上させ、人類の復興を目指します。

(OpenAI, 2023)

Dr.STONEに出てくるプロフェッショナルたち

というわけで紆余曲折ありながら主人公と仲間たちは文明を復興していくのですがそれには当然、科学だけでは解決できないものも出てきます。なので重要なスキルをもった人物を石化から解放し仲間にしていくのも大事なミッションになってきます。
この作品に出てくる様々なプロフェッショナルがこちら。
・科学者
・手芸部
・格闘王
・マジシャン兼メンタリスト
・体操選手
・ソナーマン
・警察官
・船長
・シェフ
・新聞記者
・漫画家
・槍使い
・スナイパー
・地理学者
・職人
・ドライバー
・レーダーマン
・パイロット
・メカニック
・時計技師
・プログラマー
これ以外にも体力が無限だったり職能というか特性がすごいみたいな人物も含め、いろんなプロがめっちゃ出てきます。終盤でプログラマーが出てきた時、いよいよマーケターも出てくるか?ってなったんですが出てきませんでした。まぁ言語化しにくいスキルであることは間違いないのでしょうがないかとは思いますが、ここでふとなぜ出てこなかったのかを考えました。

Dr.STONEになぜマーケティングが存在しないか

Dr.STONEは最初、科学力チームVS武力チームでの争いが描かれます。文明が復興していくことによって生まれた近現代が悪だったので復興するのを阻止する派と主人公派に別れて争います。その後、科学力VS科学力の戦いになり、最終的には科学力VS未知の科学力が描かれます。
いわゆる理系VS文系ではなくあんまり文系の人たちの活躍は描かれませんでした。
漫画としてそれを詳しく描いても面白くないからって言われるとそれまでなんですが、おそらくマーケティングが効果を発揮するのは多人数に大きな影響を与えなくてはいけない場合が多いからと言えるのではないでしょうか。漫画内では石化を無秩序に解かなかったので一定たくさんの人数をコントロールする意味がなかったので、マーケティングというものが描かれなかったのかなと思っています。

マーケティングが出来る人を味方にしたチームが勝利した

というわけで、ここまでつらつらと書いてきた中でマーケティングが描かれなかったのはDr.STONEの世界では必要なかったからという結論になってしまいそうだったのですがそうではありません。
Dr.STONEにはマーケティングの場面も出てこないし、マーケティングができる人も出てこなかったかでいうと実はそうではないんです。
漫画の中で最初の扱いも大きくなく、決して強キャラとしてフューチャーされてこなかったが初期に敵チームを裏切ってから最後まで主人公チームに居続けた唯一と言っても良い文系キャラがいます。
それが「あさぎりゲン」という人物です。漫画内ではマジシャン、メンタリストとして登場した唯一といっていいくらいの科学派でも武力派でもない人物です。彼は裏切りそうなキャラクターとして登場しましたが、新しい人物が登場してインフレが起こっていくなかで最後まで重要人物として存在し続けました。
彼の活躍は基本的に対人のコミュニケーションにおいて主に描かれました。それは交渉だったり、誰かと誰かを協力させたり、ゲームを開催してみんなのやる気を引き出したりしました。
そう「あさぎりゲン」こそがDr.STONEの中で人の心を動かしコントロールする唯一のマーケティング要素を担った人物だったのです。
詳細は漫画を読んで欲しいなと思うのですが、彼がいることによって主人公チームが勝利したと言ったといっても過言ではないです(わかりにくいけど)。

「弱い手札をスペードのエースに見せかける」
「これは取引、ディールゲームの最初の1手目」
「ディールゲームの勝ち筋は相手をへこますことじゃないの」
「”しめしめ、俺がしてやったり”って、まやかしの花道を作ってあげること」
「それが大事なのよ」

これはあさぎりゲンが交渉の際に言ったセリフなんですがめちゃくちゃマーケターじゃないですか?まさに相手の心をどうコントロールするかが詰まったセリフだと思いました。自分はここにこそ、マーケティングというものが何かが詰まっているような気がします。そしてかっこいい。
なので結論としてはマーケティングのプロとして描かれなかったがマーケティングに長けた人物が活躍しチームを勝利に導いたということになります。

マーケティングは華々しいものでは決してない

前でも軽く触れましたが個人的にマーケティングは「人の心をA地点からB地点に動かすこと」であると思っています。それを実現するには対象となる相手のA地点もB地点も知ってる必要があるし、どうやってコントロールするかの手段ももっていなくてはいけません。
なのでDr.STONEでマーケティングが華々しく描かれなかったことは世の中の多くのマーケターをがっかりさせることではないと思っています。それはDr.STONEで描かれなかった事実こそがマーケティングの本質なのではと思うからです。マーケティングの一番良い事例は気づかれないことだと自分は思っています。誰かの意思決定や感情をコントロールすること、それは大っぴらにいうべきことではないからです。それを言った瞬間からマーケティングは陳腐なものになりペテン師になるのではないでしょうか。種明かしをされたマジシャンほど滑稽なものはありません。
表向きは道化を演じつつ、華々しい成果をあげずとも泥臭くなんでもやって常に自分のチームを勝利に導いたそんな「あさぎりゲン」のようなマーケターってかっこいいなと。マーケターって実はスキルであって職業ではないのかもなと彼を通して考えさせられました。
彼は最終話では外交官として世界を飛び回るのですが、ぴったりな仕事だなと思いました。

最後に

この記事で言いたかったのはマーケティングって広告運用だけでもなければSNSを運用することだけでもないってことです。アイザックはわけわからないくらいたくさん事業をやっていますがマーケティングの真の意味での「人の心を動かすこと」に向き合うしかない事業ばかりです。事業側で複数の事業に関わりながら泥臭く本質だけを見据えてマーケティングをする、事業を伸ばす、そんなエキサイティングな経験を一緒にしませんか?
あとDr.STONE絶対読んでください。年末年始に読むのにぴったりです。読んでからもう一回この記事読んでください!その後マーケについて語りましょう!待ってます!

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