OTAの特徴や違いを独断と偏見で解説するよ

OTAとはOnline Travel Agencyの略でオンラインの旅行代理店のことである。今回は沢山あるOTAの特徴や違いなどを独断と偏見で解説していきたいと思う。

OTAのビジネスモデル

個々のOTAに触れる前にまずはOTAについて正しく認識したい。
OTAは自社サイトから宿泊施設へ送客することで、宿泊代金の一部をコミッションとして受け取る。コミッションは8%〜15%が一般的でOTA各社と契約内容によって異なる。

独自性のある小規模なゲストハウスで、口コミだけで集客できる強みがあれば、OTAを全く利用しないという選択肢はあるかもしれないが、ある程度の規模感のある宿泊施設の集客において、集客は基本的にはOTA頼みと言っていいだろう。

当然のことながらOTAはユーザーの囲い込みを行いたいし、自社ユーザーに良い宿泊施設を、最も安い価格で提供したい。

Booking (ブッキング)

オランダで始まったOTAの最大手。
とにかくキャンセルもノーショー(予約して来ない)も圧倒的に多いのだけど集客力も半端ないため、大半の宿泊施設において、ここからの集客が最も多いのではないかと思われる。最近ようやくオンライン決済や返金不可プランが可能となったため、今後キャンセル率やノーショーを減らすための施策が取りやすくなるかもしれない。
以前は欧米が強いと言われていたが、今は世界中からの利用者がいる。

管理画面は使いやすいし、プロモーションなども仕掛けやすいのでマーケティング脳の人には最もいじりがいがあり、結果も出しやすいので売上を伸ばすためには真っ先に取り組むべきOTAと言える。

管理画面には積極的に新機能が盛り込まれていくので、のんびりしているといつの間にか仕様が変わっていたりして、たまに小さな問題が起きることもあるが、そのスピード感は評価したい。

すべての施設かはわからないのだが(自分が経験している)中規模以上の宿泊施設には担当営業がつき、能力差はあるが、いい人と合うと一緒に宿を伸ばしていこうという気持ちが感じられ、相談事がある時や、エリアの状況などについて情報が知りたいときはとても助かる。

カスタマーサポートは繋がりにくい時間こそあれど、OTAの中では最も印象が良いし、緊急時やイレギュラーな問題が発生したときには担当営業が親身になって解決してくれることも多い。

首都圏だけかもしれないが、宿泊施設向けのイベントやセミナーなども頻繁に開催しているため、チャンスがあれば参加してみることをオススメする。

Agoda (アゴダ)

もともと中華圏に強いOTAだが、年々影響力を増している印象。
管理画面でできることはBookingと似ているため、同じプランやプロモーションの水平展開がしやすい。
担当営業は規模感か収益性によるものかはわからないが、ついているところとついていないところがあるようだ。

競合他社との提携も多く、ブッキングや楽天の在庫(楽天の場合はインバウンド設定による)しているが、細かい設定の確認をしっかり行わないでデフォルト設定のまま販売すると違う部屋タイプに紐付けられて売られたり、オーバーブッキングになってしまったりとトラブルは多い。
また、自分達の手数料を削って勝手に安売りを始めるため、他のOTAとの価格にズレが生じ、他のOTAから『agodaでうちよりも安い価格で売りに出されているため、当OTAでの掲載順位が下がります。』との連絡がしょっちゅう来る。そしてこれを止めてもらうために担当営業に連絡するが一向に対応がされず、イライラすることがある。(アゴダあるある)
サポートは自動音声でプッシュ式、ゴールまでたどり着いたと思ったら自動音声で切られて最初からやり直しパターンがあります。

Expedia (エクスペディア)

アメリカ発のOTA。
管理画面はブッキングと似ていてやれることは近い。
担当営業がつかないため、Expediaの人と会うことはほとんどない。自分は過去に1人だけイベントで会ったことがあるが、めちゃくちゃ可愛かった。(余談)

Bookingで行っているプロモーションなどを水平展開しやすいので、販売チャネルを増やすという意味で、しっかり使っていきたいところ。
飛行機のチケットのセットプランなどがある点は他のOTAと異なる。
カスタマーサポートもそんなに印象は悪くないが担当がつかないため、イレギュラーな問題や問い合わせなどへの対応は少し待たされることもある。

Hostel World (ホステルワールド)

もともとはバックパッカー向けの安宿に強かったイメージだが、近年は他のOTAにシェアを奪われている印象。
管理画面でできることは少なく、部屋の売り方などのカスタムもしずらい。
日本にはオフィスがなく、カスタマーサポートは貧弱、メール返信も遅い。
ホステルワールド絡みでトラブルがあった場合は現場でなんとかするしかない。解決したあとにやっと連絡がとれる感じ。
ベッド数が少なくドミしかないゲストハウスとかであればバックパッカーに的を絞ってホステルワールド一択みたいな攻め方もあるのかもしれない。

CTRIP (シートリップ)

中華圏最大のOTA。
管理画面でできることは海外OTAと似ているが、ところどころ怪しい日本語が残る。最近、日本市場にも力を入れだしたようで、担当営業がいる。
カスタマーサポートにお世話になるほどのトラブルがまだ起きていないが、担当に連絡したらすぐに解決してくれたのでカスタマーサポートの体制はしっかりしているのかもしれない。

楽天トラベル

国内のOTAではじゃらんと並んで日本人の予約が多い。
管理画面がごちゃごちゃしていて、プランの設定など、とにかく使いづらい。インバウンド設定で売る場合はトラブルのもとになりやすいので、注意深くチェックしたい。
個人的にはUIとUXのデザイナーを入れて基本設計からやり直すべきだと思っている。

楽天経済圏は出張利用の方や女性ユーザーなど、独自のユーザー層がいるので日本人を取りに行くのであれば必須ではある。
担当営業はつくが、施設に来ることはあまりなく(営業によるかも)、電話でクーポン参画などの打診が来る感じ。

楽天トラベルEXPOというイベントは、有料だが、セミナーがあったり、近隣施設の責任者との交流の機会もあるので勉強にはなるかもしれない。

じゃらん

国内OTAの老舗で日本人の女性ユーザーが多い印象。
プランや部屋タイプなどの登録が面倒だが、日本人を取りたいなら契約する価値はある。ただし、プラン設定にかける時間のわりに全体からみた予約数は少ない。

他にもAirB&Bやマイナビトラベル、一休、reluxなどあるが多くを語るほど運用実績がないのでここでは割愛します。

さいごに

今回は主観と偏見でOTAを紹介してみました。
ひょっとしたら宿泊施設の規模感やエリアによって感じ方が違うかもしれませんのであくまで参考までにどうぞ。



そのお金は僕の知識に変わります。