見出し画像

【#7】4人の子持ちママのスタートアップ起業。妊娠・出産とキャリアパスをどう考える?

ご訪問いただきましてありがとうございます。

ほっとマガジンです。(更新頻度…ごめんなさい。反省しています。。)

このマガジンは「自分らしい働き方を見える化」し「ロールモデルに出会える」することで、『女性の働きやすさの作り方』を応援するマガジンです。私自身が会社員、個人事業、会社経営を経験し、様々な壁にぶち当たり、悩んだことからこのマガジンを始めました。それぞれの働き方によってメリットもあれば、デメリットもあります。しかしそれらのほとんどは経験しないと気づかないことです。ここではそれぞれのこだわりを持った働き方をしている女性を取材しご紹介しています。

どうぞゆるりとお付き合いいただけますと幸いです〜。

※読む前に:どんな生き方・働き方が正解だと押し付けるものではありません。あくまで、インタビューを受けた御本人のお考えを聞き、感じたポイントをまとめてお伝えしています。むしろそれぞれの働き方や価値観の違いを楽しんでいただけたら嬉しいです。

*             
   
7人目はMODALAVA株式会社、代表のJASMINEさん(@JasK_official)お話をお伺いました。会社員時代に4人の子供を出産、その後エシカルファッション領域でスタートアップで事業を立ち上げたママ経営者です。
体力には自信がない、、、と言いながら、なぜ4人のママをしながら経営者として活躍できるのか。話を聞くと、今すぐ取り入れたい、彼女ならではの思考の整理術がありました。今回は、彼女の今までのキャリアを追いながら、「働きやすさのつくり方」のお話をお伺いしました。


【子育てと両立する”働き方”について】
ー10年間の会社員経験を経てスタートアップ起業をしたジャスミンさん。起業までの経緯を聞かせていただけますか

元々起業をしたくて、IT系コンサル会社に10年ほど勤めていました。その間に4人の子供を産み、落ち着いたタイミングで独立をしました。最近は状況も良くなってきていると思いますが、子供を育てながら会社勤めをしていると、この先の昇進の限界が見えてしまったのもあり潮時と感じ退職を決めました。

ー会社員時代、結婚や子育てとの両立はどうでしたか
新卒入社後、半年で結婚をしました。その後、33歳までに4人の子供を出産。周りを見ても早いほうでした。勤務先はベンチャー起業でしたが、育休や産休などもしっかり取らせていただきました。
最初の妊娠の時は会社のみんなも歓迎ムードでしたが、だんだん人手が足りなくなる中で産休や復帰を繰り返すと、会社に居づらい雰囲気がどうしてもありました。
1人目の時は10ヶ月ほど休みをいただきました。その後2人目、3人目は大変でした。保育園に入れなくて、そういうので仕事を辞めちゃう人って多いんですよね。
その後も復帰と休職を繰り返し、4人目の時は育休手当は出ませんでした。働く期間が短くて支給に必要な勤務期間を満たせなかったんです。

画像4


ー結婚や妊娠のタイミングはどう考えていましたか
こればかりは計画通りにはなりません。私も昔は30歳で結婚して33歳で出産するイメージをしていましたが、そう考えている女性たちがいざ結婚しようと思ってもできなかったり、不妊になってしまったりするのを目の当たりにしました。
歳を重ねて組織の中でポジションを取ってからの子育てがいい場合がありますが、会社に個人のライフイベント(結婚や妊娠)を合わせる考え方には疑問を感じます。個人の結婚や妊娠に合わせて、キャリアを築きやすい働き方があってもよいのではないでしょうか。

ー周りの結婚や妊娠をされた方はその後どのような働き方をしていましたか
結婚や産休を取る方はいましたが、結局皆辞めちゃいますね。コンサルはそもそも残業ありきの仕事で、残業代込みの年俸でした。残業できないとなるとスタッフ扱いにされがちで、そうするとコンサルを続けるメリットを感じにくくなります。転職をしたり、起業をしたり、働き方を変える選択をする人が多かったです。


ー1日のスケジュールはどんな風に過ごしているのですか
これはかなり旦那と闘ってきて、今があります(笑)「男性か女性かの二択でたまたま女に生まれただけで働く時間が短くなる。これがたまたまの男女差ならおかしいでしょ。」って10年間ずっと言い聞かせてきました。
例えば今日は7時半に私が起きて、旦那が保育園児を連れて8時半頃に出て行って、みんなが出て行き静かになった9時前頃から仕事を始めます。夕方は子供の習い事でバタバタする時間帯。基本は私が送り迎えに行きますが旦那もたまに手伝ってくれます。旦那は会社員ですが営業職なので比較的時間の融通が利くのです。


仕事と子育ての時間のバランスは状況を見て調整するようにしています。あまりにも仕事時間が少なくてやばいなと思ったら、どこかカプセルかホテルに泊まります。それは旦那もOKしてくれています。フラストレーションが溜まるくらいならどうぞ泊まってください、って(笑)旦那も仕事で出張に行くし、そこはお互い理解し合って仕事をしています。週3回夜不在だとまずいんじゃないか、、、みたいなものはなんとなくのルールとしてありますけどね。


子供はさみしくなると不安定になることがあります。喧嘩が多くなるとか、そういうのが見えてきたら家にいる時間を増やして微調整をしています。

ー旦那さんやお子さんに今の働き方はどう映っているのでしょうか。旦那さんやお子さんに応援してもらえるためのコツとかあったら教えていただきたいです!
旦那には基本的に理詰めで家事をしてもらえるよう伝えます(笑)以前、家事をしている時間を計算して伝えたことがあります。貴方は47分、私は360分、これが1週間続くとどうなるかわかるよね、みたいな。男性は数字で伝えたほうが理解してくれるかも(笑)


ー理詰めのレベルが想像を超えてきましたwお子さんに対しては?
子供には、働き方を見せるようにしています。親が働いてるからこそいい思いをできることがある、という見せ方です。コンサル時代も私が働いているからこそ会社の行事で一緒にハワイ旅行に行けたり・・・さみしい思いをさせてしまうこともありますが、いいこともあるということを体験させてあげます。


気をつけているのは、親の呪いをかけないようにすること。うちは「こうしなさい」と価値観を一方的に伝える言い方はしないように心がけています。
有名な大学を出たからといって幸せになれるとは限らないし、親がどういうキャリアを歩んで成功したから自分も歩まなきゃいけないとか、そんなことはないと思っています。だったら自分と向き合うことをしたほうがいい。その延長線上で、私のような働き方もあるんだよ、っていうのを押し付けるでもなく見てもらえたらな、くらいに思っています。大変ですけどね(笑)



【起業について】
ー事業構想はどういうきっかけで思いついたのですか
会社を創ったのは2017年ですが、事業の構想を考え始めたのが2015年頃。当時はまだインフルエンサーが出始めた頃でした。ファッション業界でいうとファッションコーデサイトであるCUBUKIなどが出始めた時期です。コーデスナップを投稿をしている人はたくさんいて、その多くは主婦でした。
なぜ主婦たちがコーデを投稿し始めたのか。話を伺うと結婚や出産をして仕事を辞めた人や、給料が低くて辞めた人など理由は様々ですが、お小遣い稼ぎのために始めた人がほとんどでした。子供を産んで会社に復帰したところでキャリアアップが見込めないというのは、私自身も共感して辛くなりました。ベンチャーのコンサル時代、時短勤務になると、法定的には2/3でも残業代や成果報酬がなくなり、実質給料は独身時代の実質1/3程度になってしまいます。そこまでして会社で働くのってどうなんだろう・・・と悩み、独立する結論に達しました。そういう働き方に納得できない女性の多くが、仕事を辞めてコーデスナップをあげているということがわかりました。


ーそこで考えたのがオープンクローゼットという今の事業ということですね
はい、CtoCのファッション事業です。メルカリで売るまでもない服をたくさん持っている人は多いです。そういう服を自分のファンにもっとカジュアルに売れたらそれがキャリアになるのでは、という着想です。自分の服が売れるということは自分のファッションセンスを認められているという証拠。オープンクローゼットがファッションキャリアのひとつになればいいなと思っています。

画像5

▲イベントの様子

ー今の会社の人数、組織は?

役員は6人。社員は1人。業務委託が20名弱。(2019年10月現在)
役員が多いのは取締役会を作ったからです。業務委託はデジタルマーケやエンジニア、インターン、イベントのオーガナイザーなど。その人の得意なことややりたいことを活かしています。
創業メンバーは幼馴染の女性。最初は2人で話をしていましたが、立ち上げにはエンジニアが必要で、エンジニアが見つかったタイミングで起業に至りました。

ー人の採用はどのようにしていますか
口コミやイベントで声をかけています。エンジニアはフルリモートでやっているので喜ばれます。
オフィスは設けていません。Slackは毎日飛び交っていますが、顔を合わせるのは月に2回。カナダで働いている子もいます。その子がいることで、オフィスにいることが標準だという概念がなくなり、許容できるようになります。オフィスに来ている人からすると、オフィスに来ていない人をつい下に見てしまいがち…そういうことが起きなくなります。

ー起業をして、つまづいたことはありますか
表立っては言わないですが、男社会の中で男女差に悩むことはあります。言った結果、男女差へ過敏に反応している人だと思われることが多いのですが、当事者が感じていることを黙ってしまったら、誰も言う人がいなくなるしダメかなとも思います。
ほんと、男に生まれればよかったって思う時、超あります(笑)
資金を出す関係になると、仕事に直接関係ないところで無理難題を出されることもあります。それが男女問わず起きる問題の時もありますが、時に夜中に呼ばれるとか対応できないことを求められることも。


ーこれから起業をする人におすすめしたいこと、気をつけてほしいことは?
“差別”とは、不公平な状況に対して不公平じゃないよって言い張ること。女だから下駄を履かせてもらいたいんでしょ、と思われがちですが、そんなことはありません。それらの不公平な状況を理解している男性と理解していない男性が明確にわかれています。理解しているふりをしているが本当は理解していない人もいます。そこの見極めは難しいですが、気をつけています。
自分が経験がないものに関しては人にアドバイスをもらうといいと思います。私も事業計画は5〜6人に見せました。
投資家に見せる時も、投資家に見せた経験がある人にアドバイスをもらうなどをしています。
あと、インキュべーションプログラムはおすすめです。メリットは相談先が明確なこと。私もプログラムに入っていて、週1日程度で行くので相談にのってもらいました。
デメリットは、目的を見失いかねないこと。プログラムの趣旨によりますが、アクセラレータの評価を気にしすぎると、ビジネスの目的やサービスを提供したいターゲットへのリーチが噛み合わなくなるところはリスクかもしれません。


ープログラムを選ぶ時の基準は?
全部受けたらいいと思います(笑)面接をしていると、自分が説明しにくい箇所がわかってきます。リストをつくって、上から舐めるように応募したらいいと思います。VCも全部やったらいいと思いますよ。


ー自分らしい「働き方」はどう創ったらよいでしょうか
働き方には質をとるか量をとるか、という考え方があると思います。
時間が自由になっても、質に至る量を確保できないと意味がありません。
例えば、毎日量をこなす仕事をしていた人が、いきなり質を重視する仕事にするという価値転換はいきなりは難しいと思います。

働き方を変えるなら価値転換をしてからのほうがいいかも。質に対して評価してもらいたいのか、質に対する量に対して裁量を与えてもらえるかどうかは考えるようにしています。コンサル時代は質を評価される仕事でしたが、それに量をこなした時、裁量を与えてもらえるのかどうかも基準のひとつです。
今の働き方だったら会社員のほうがいいのかもしれない、とよく自問自答をするようにしています。

画像3

ーライフスタイルに合わせてそれぞれ働きやすいと感じる働き方は違うと思っています。ジャスミンさんは起業した今の働き方は働きやすいですか?

はい、働きやすいと思います。
そもそも働き方を考える時、働き方の選択肢を持っている人が少ない気がします。ほとんどが転職、残りは起業か専業主婦やパートになるか。
自分がどういう状態が幸せなのか、それに対してどれだけ至っていないのかを考えます。例えば「子供が3歳になるまでは仕事をしたくない」「子育てしながらフルタイムで働きたい」を目指すなら、課題はそもそも生活費が足りないのか、旦那さんの協力なのか、体力なのか、時間の使い方の見直しなのか。

課題のありかは人それぞれ。それは必ずしも働き方を変えれば解決するというものではないかもしれないです。起業することで解決できるのかどうか、を考えたらよいのではないでしょうか。
実際に起業することで解決できることは多いと思います。自分がコントロールできるところが増えるからです。

画像2


子供がいるとひとりで考える時間がとりにくいですが、自分の価値観と向き合うことは大切なので意識的に時間をつくるようにしています。定期的に自分自身のメンテナンスをすることで、今の働き方をつくれていると思います。

ー貴重なお話をありがとうございました!

画像1


■ MODALAVAの事業紹介
【Open Closet(オープンクローゼット)】
MODALAVAのOpen Closetは、想いとストーリーをシェアするコミュニティ。
Open Closet Marketは、ファッションセンス溢れる出品者とファッション好きな来場者がカジュアルな交流をしながらファッションのリユース・リサイクルを楽しむことができるオフラインファッションイベント。

Open Closet Onlineは、イベントで出品された服がメインのオンラインショッピングサイトです。
https://shop.modalava.com/
【#ootd専属買取クラブ】
不要になった服を売りたいユーザーと価値の高い服を買いたい古着屋のマッチングサービス。(登録ユーザー募集中です!)
https://www.modalava.com/ootd-seller
【atelier HIKITSUGI】
洋服に"ヒトの手"を加えることで、次の方にお渡しするファッションコミュニティ。不要になったり、廃棄される予定の洋服をリメイクすることで新しい服/作品に生まれ変わらせてファッションの廃棄を減らすことがミッション。
あなたが"ひきつぐ"お洋服をつくりませんか。メンバー募集中!
https://www.a-hikitsugi.tokyo/membership

【MODALAVA株式会社】
HP: https://www.modalava.com
Twitter: https://twitter.com/MODALAVASHOP
Instagram: https://www.instagram.com/modalava/




読んでいただきありがとうございます! MY WORKS 👉http://hotmilk.co.jp/ 記事のイイネやシェア、励みになります。