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日常から非日常まで、記憶に残る作品を記していきたい今日この頃。あくまでもフィクションで…

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日常から非日常まで、記憶に残る作品を記していきたい今日この頃。あくまでもフィクションです。

最近の記事

帰りの空

「みてみて奏太!富士山だよ富士山!」 Zzz… 「も〜、せっかく綺麗なのに」 窓際のからの寝息をかき消すかの様にシャッターの音が機内にこだまする。 私も負けじと特等席で寝ている奏太の顔を横目に、そそくさとスマホを取り出す。 カシャッ! 「う、うーん?また盗撮かよナギ」 どうやらシャッターの音は私の声よりも彼に響いたらしい。 「残念ながら今回は違います〜」 「そんなことよりほら、富士山だよ!」 「ん?あー…ほんとだ」

    • 君のいる夏

      光り輝くグラスのなかで、氷がカランと音を立てる。 奈緒はピクリと眉を揺らすと、うなりながらまぶたを持ち上げる。 ぼやけた視界には、前と変わらない景色が広がっていた。 「あれ…いつのまに寝ちゃってたんだろ。」 ソファに座りなおしながら、奈緒は髪をなぞる。 壁時計は、ちょうどお昼の十二時をさしていた。 レポートを終えたのが十一時半頃だったから、三十分近くも寝ていたらしい。 ちらりとデスクへ目を向けると、部屋の主である涼は変わらずパソコンのキーボードを鳴らしていて、こちらに背を向け

    帰りの空