見出し画像

農業の未来を見据える、新世代の生産者


加賀で指折りの作地面積を持つ、若手農家

弱冠25歳ながら100a(約3000坪)もの農園を管理する加端大樹さん。梨を中心にしながら、栗やレモンなどの栽培にも挑戦する、意欲ある若き生産者です。蛍KANAZAWAは、梨を使ったこの秋の新作の開発のために、かばた農園さんにお伺いしてきました。

かばた農園を営む、加端大樹さんは弱冠25歳の若手生産者

加端さんは、梨の生産者として最高品質の果物づくりを目指しながら、もう一方で世界を見据えたビジネス展開にも意欲を持っています。業界全体への課題意識を持ち、「農業というと、きつい、汚い、稼げないというイメージを持つ若者は多いと思う。でもそれを変えていきたいと思っています」と語ります。「日本の農業技術は世界でもトップクラス」。だから、視点を変えれば、大きなビジネスチャンスがあると感じているそうです。

多彩な品種を育てながら、梨としての魅力を

梨の魅力は、しっかりした甘味とみずみずしさ、シャキッとした爽やかな歯ごたえなど。加端さんの梨は、そうした正統派の梨の特徴を表現しながら、その味わいの一つひとつをレベルアップさせることで、どこにもない「かばた農園」だけの魅力的な商品となっています。梨ならではの美味しさを存分に楽しめる、王道の梨ともいえそうです。

たわわに実る梨
梨の木の下で打ち合わせ。土壌が良いので地面にも様々な草が生えるという


多彩な梨の栽培から可能性を見出す

加端さんは「常にアップデートする」ことを心がけているといいます。新しい品種の栽培にも意欲的で「毎年チャレンジしながらより良いものを探っていくことが大事」だと考えています。日本の気候も変わってきています。気温は毎年上がり続け、もともと降水量の多い北陸でも雨の少ない時期が増えました。一方で、台風被害が減少するなど、良い変化もあります。

梨の品種は50種類以上あると言われ、収穫時期も7月~12月と広くあります。これまでは10月には台風が多いことから、9月に収穫を終えることが多かったそうですが、時代の変化を見据えて新しい品種への取り組みも続けられています。


商品づくりに向け、熱の入った議論が続く
農業の未来を見据える加端さん

次の時代の農業を見据えて

加端さんが世界へ挑戦するにあたって、大きな可能性を持つのは6次産業化です。梨を様々に加工し、付加価値の高い商品へと変えることで、より広い地域に梨のおいしさを届けられます。蛍KANAZAWAのコンセプトは、生産者とともに作る和菓子。素晴らしい農作物を主役とした商品開発という考え方は、加端さんの想いと通じています。世界を目指し、これまでにない新しい商品を作るという夢を、共に追いかけています。

梨を主役にした、秋の梨大福

この秋の新作梨大福は、加端さんの梨だからこそ生まれた商品です。主役の梨を引き立てるため、甘味を抑えめに。また、あんこの使用は最小限にとどめています。求肥のもちっとした柔らかさに、梨のシャキッとした食感のコントラストを楽しめます。口いっぱいに広がる梨の果汁と爽やかな甘味に、控えめなあんこの満足感が、秋の訪れを満喫できる一品になっています。

ひがし茶屋街、農園から作る和菓子

ひがし茶屋街の入り口。農園生産者と一緒に作る、新しい和菓子を提案する「蛍KANAZAWA」。かばた農園の梨を使った和菓子はここでいただけます。

※旧「ville de croquette」が2023年8月より「蛍KANAZAWA」へリニューアルしました。