ばあちゃんをたずねて

久しぶりのおばあちゃん。

というのも5年前くらいまでは隣街に住んでいたが、じいちゃんが亡くなって、昔からの友人と結婚をして水戸市に引っ越していたからである。

70歳目前での再婚でファンキーだなーと思った記憶がある。
ちなみに再婚相手のおじいちゃんとは初めましてよろしく。

駅に迎えにきてもらってさっそく向かったのが、「スタミナラーメン多幸」、おばあちゃんと、その旦那さんのおすすめである。

ご当地ラーメンらしい。
岩手で言う、たかみ屋的ポジションであろうか。

茨城のご当地ラーメンたるや、どんな味なのか。

オーダーは言わずもがな、「スタミナラーメン」。

婆「スタミナラーメン3つ」
店「あったかいのと冷たいのあります」

スタミナラーメンを食べに行こうと言われて思い浮かべてたイメージは、
「辛い」「多い」「にんにく」

冷たいスタミナラーメン。あまり興味がそそらないので、ばあちゃんおすすめのあったかい方を注文した。

着麺。

見た目はあんかけラーメン。
具材たっぷりで太麺の美味しそうなラーメン。

特徴的なのが「かぼちゃ」と「レバー」が具材に含まれている。

かぼちゃホクホク、レバーしっとり、麺と餡が絡んで、めちゃめちゃにおいしかった。

お家に移動。

ザ、ばあちゃんちって感じだった。
おばあちゃん家あるある、お皿やカップがたくさんある。多分使っていない。でもどれも埃がたまってることなく綺麗。インテリアとしての食器なのであろう。リビングにもたくさんあったが、玄関にもたくさん。

アルバムをみせてもらった。
おばあちゃんの若い頃の写真やお母さんの子供の頃の写真。
今まで聴いたことなかったお母さんお父さんの出会いや、子供の頃のエピソードを聞けておもしろかったな。

15時から18時までお昼寝。
大爆睡。

18時。夕飯。
まず出てきたのが、おごご(漬物)。
大根、にんじん、きゅうり。
おごごという響きがとても懐かしかった。
ひいばあちゃんもいつもくそしょっぱいおごごをだしてくれていたのを思い出した。
しょっぱいけど漬け具合が絶妙で香り高くてめちゃめちゃ好きだった。
うめぇ。

お酒は、酒庫と化した押入れから「ナポレオン」
と「カミュ」をだしてくれた。
ブランデーらしい。お酒がめちゃめちゃ好きってわけじゃないのでブランデー自体飲んだことはなかった。
飲んだ瞬間、「ホワッ」と鼻あたりから何かが抜ける感じがした。美味しい。というより気持ちという表現があっているだろうか。
おばあちゃんは寝酒にしているらしい。

続いてでてきたのが「なめこと冷や奴」
これまた「なんで?」と思うほど美味しいのである。
米沢のお豆腐は豆の味がしっかりしていた。
さらに何であじつけしたのだろうか、味がついたなめことベストマッチしていた。
うめぇ。

続いて岩手短角牛のステーキ。
お肉は力強く、歯応えと旨みがはんぱなかった。
添えられていたトマト、ブロッコリーも肉汁につけてたべて最高だ。
うめぇ。

次は、五目豆。
豆、ごぼう、こんぶ、にんじん、こんにゃく。
ばあちゃんと言えば、な味だった。
家族みんなこれが大好きである。
うめぇ。

次は干し芋、焼き芋。
干し芋はねっちょねちょであんまかった。
去年自分で干し芋を作ってみたが、どうしたらこんなにネッチョリなるのだろう。
全然違う食べ物みたいだった。
掘ってから湿度90%の25℃くらいで2〜3日寝かせてから作るといいらしい。
あと黒くなってるさつまいもはヤラピンが豊富に含まれていて甘い証拠なのだとか。
焼き芋はストーブの上で石の上においてつくっているという。
この前おばあちゃんはお家から持ってった焼き芋を新幹線でたべていたら、通路挟んで隣の人や斜め前の人に見られて、あげたらめちゃめちゃ喜んでたらしい笑
うめぇ。

食後にバナナ。
バナナを切って食卓に並べてフォークで食べる。
バナナは何かの片手間に食べることが多かったので、なんか違う味がした。
うめぇ。

NHKの六角精児や新日本風土記を観ながら、旅の話をしたり。
おじいちゃんはバイク乗りで、昔1日1000キロツーリングをしていたのだとか。
モーターサイクリストという雑誌に載っていたのを見せてもらった。
ヤンチャだなぁ〜笑

全然知らない人の名前が盛んに飛び出すので誰が誰だか何が何だか覚えていないが、じさまばさまっちゅうんは、何でもかんでもよく喋ってええな。

昔は仕事22時に終われば早い方でそっから飲みに行ってたらしい。
支払いはいつも「つけといて」ってやつだ。
しかもその場にいない上司に笑
それが当たり前で上司も「飲んでこい飲んでこい」って感じだったんだってさ。

おばあちゃんが親戚に電話をかけてくれて話すのもたのしかった。ひさびさの。

お風呂も久々に入浴剤入りに入ってなんだか、素敵だった。

おじいちゃんは自分と同じ大学出身。
昔の大学の風景がのってある写真があった。
当たり前だが今と全然違う風景だけど要所要所名残もあっておもしろかった。あー、ここは昔からあったんだ!とか

23時就寝。

よく寝た。7:30起床。

朝ごはん。

まずは庭で採れたゆずのジャムとヨーグルト。
皮の苦味と実の酸味。
うめぇ。

おごごに、大根の味噌汁に。

ストーブの上で蒸したあと表面を焼いたうなぎをだしてくれた。
とてもスーパーのウナギとは思えない。
うめぇ。

切り方ひとつ、あじつけひとつ、焼き方ひとつ、もりつけひとつ、くみあわせひとつ、いろどりひとつ、
食材のおいしさをとことん引き出していく卓上の芸術だった。

朝ごはんの後は、おばあちゃんが好きなお庭を、お散歩。
ローズマリーだの、ミントだの素敵な天然の香り。
おばあちゃんも名前をわかっていない花たちがたくさん。
この花はあんたのママにもらった、この花はお兄さんの奥さんにもらった、この花は娘にもらった。
どれもこれも思い出があるようで、枯らさずに手入れしていてなんだか、愛を感じたよ。

お家に入っておじいちゃんが淹れてくれたコーヒー。
おじいちゃんは口数が多い方ではないけど、おばあちゃんの良きパートナーなんだろうなとつくづく感じた。おばあちゃんをよく見ているなっていたる場面で感じた。
駐車禁止に駐車するし、桜の枝を切って持ち帰るし。
禁止と書いてあるからやらないんじゃなくて、迷惑にならないとわかっていることは禁止でもやるし。かっけぇ。

その後、おじいちゃんのお兄さんのお家に行った。
ひろーいふかふかな畑にお兄さん、縁側に明るい奥さん。
奥さん「まずあがって」
婆さん「いやーいいからいいからすぐかえる〜」奥さん「いやいいからいいから、今椅子持ってくる〜」
婆さん「いいっていいって〜」
……
……
の繰り返しで面白い笑
結局、話好きの婆さんたちで長居する笑

その後は偕楽園に連れてってもらった。
兼六園、後楽園も行ったことがあるが、個人的に偕楽園が一番好きになった。
咲き終わりかけのたくさんの梅の木たち。
孟宗竹林の新緑と節の白のコントラスト。
芝前門の風景。
好文亭の各部屋の襖には季節ごとやテーマがある絵が描かれていてそれが繊細でうつくしかった。襖って落書きしていいだ。
特に、萩の間の夕日がえぐい。
本物の夕日だった。

その後は文京地区を案内してくれて。

その後はホテルの中華料理。
おじいちゃん行きつけのようで。
料理長が某飛行機会社でもコックしてたようで。
ばあちゃんおすすめの五目焼きそば、餃子、杏仁豆腐をたべた。
ありえんほどうまかった。
特に餃子は過去1。パンチも肉汁もありえんかった。

そんなこんなで、おいしいもんたくさん食べておばあちゃんおじいちゃんとすごせて、たくさん寝て帰りの電車もたくさん寝て、なーんかお金じゃ買えない幸せな時間だったな。

写真はとってなかった。
記憶に焼き付けようと。
わすれないんだろうな。
写真撮って満足ーにならなくていいな。

会いたい人に会いに行く旅つーづけよ!
そして、おもてなしできたい!のために美味しい料理つくれるようになろ!
メリハリつけて、ゆったりするときはして、でも成長する自分も楽しいからやる時はやって、お金の使い所間違わないで、いきてこ!


茨城と聞いて私が思い浮かべるのはただ2つ、納豆、偕楽園。

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