【図解】「PBR1倍割れ=割安」の根拠を考えてみる

どうも、スギヘイです。
今日は投資のお話です。図解してなるべく分かりやすく書いてますので、初心者の方もぜひ。

さて、投資指標でPERとならんで代表的な指標のPBR。
一般的に「PBRが1倍を割れた銘柄は割安」と言われていますが、本当にそうなんでしょうか?という話です。

<目次>
■はじめに
■PBRとは何か
■株価が上がる要因について考えてみる
■PBR1倍割れを図解で考える
■PBR1倍割れ=割安のロジック
■PBR1倍割れ=割安とは限らない
■株価の決定要因とPBRの関係性
■まとめ:株価は利益に収束する

■はじめに

まず、キッカケはこの日経の記事。

内容としては、PBRが低い銘柄は割安なので、それを買うと高いリターンが出せた(画像の「低PBR投資が有効だった」の部分)のが、不調であるとの事。なんか色々解説されてるけど、しっくりこないから自分で整理してみようかなと。

まずは、前提として主な投資指標の関係性をまとめてみました。PERやPBRの式が分からない場合は、こちらの図を確認しながら読んでいただければと思います。

また、PERやPBR、さらにP/LやB/Sなどの用語の解説はチャーリーさんが以前に図解しているのでその記事を読んでみてください。

それではPBRの説明を交えながら、まずは「PBR1倍割れ」とは”どのような状況なのか”見ていきたいと思います。

■PBRとは何か

まずはPBRについて。
上場企業の場合、株価はリアルタイムで変動しています。時価総額は株価×株式数なので、株価によって日々変動します。
PBRは時価総額を純資産で割ったものなので、時価総額が大きければPBRは高い傾向にあります。要は株価によってPBRが変動しているといってもいいでしょう。
下図で言えば、PBRは黒い矢印と青い矢印の比率になります。

■株価が上がる要因について考えてみる

PBRは株価によって変動するといいましたが、株価が上がる要因について少し考えたいと思います。

上の図は僕の個人ブログから引っ張ってきたものですが、P/LとB/Sの関係を見ると、毎年の利益が利益剰余金として純資産に貯まっていくイメージです。
企業は利益剰余金のお金を使って、事業にさらに投資をしたり、株主に配当を出したりします。配当がたくさん出ると株主の利益が増えるので、配当の原資となる利益が増えると株価も上がる。こんな流れです。

注意点として、P/LとB/Sは基本的には決算の時に更新されます。しかし、株価は毎日動いています。利益に基づくなら決算の時だけ株価は変動するはずです。
なぜ株価は毎日動くのか?それは将来の利益が株価に反映されるからです。
反映されるというよりは、期待で株価が動いている感じです。
株式市場にいる人は上がる株を日々探しています。安く買って高く売りたい。だから業績が上がりそうな株を少しでも早く買いたい!と思って取引をします。
そうすると、決算を待たずにいいニュースが出た場合、業績が上がるかもという期待で株が買われ、株価が上がります。
他にも景気が良くなりそうなニュースが流れると、景気が良くなる=業績が良くなるという期待で株価が上がったりします。

つまり、色々なニュースに影響され、決算の確定値を待たずに人々の期待感だけで毎日株価は動いていると言ってもいいかもしれません。
でも繰り返しですが、一番大事なのは企業の利益が上がるかどうかです。これは株式市場の原理原則といっても良いかと思います。
ちょっと話がずれましたが、そんなこんなで株価は毎日動いてます。

■PBR1倍割れを図解で考える

話を戻すと、PBRは主に株価で動きます。株価が下がるとPBRも下がります。すると下の図のように、時価総額(株価)が純資産を下回ります。これがPBR1倍割れの状態です。

次にPBRが割安とされるロジックを見ていくまえに「割安」とは何か考えたいと思います。
先ほど株価が期待で動くと説明しましたが、割安とは期待先行で株価が下落して本来あるべき株価よりも一時的に下がっている状態です。
例えば株価が割安な状態で買うことができて株価が正常に戻ればそこで利益が取れます。これを狙うのが一般的にバリュー投資と呼ばれる投資スタイルです。
ここで大事なのは価値と価格は違うということ。価値は企業が稼ぐ力で、価格は株価を意味します。例えば、稼ぐ力は変わらずに株価がニュースなどで下がった状態は割安な状態と言えます。

■PBR1倍割れ=割安のロジック

では、いよいよPBR1倍割れ=割安とされるロジックを見ていきます。よく言われるのがこれ。

「純資産>株価(時価総額)なので、会社を清算して純資産を分配すると利益が出る」っていう説明をよく見ます。
例としてはA社株式を80で買い、会社を清算(簡単にいえば倒産させて解散すること)すると、資産から負債を引いた金額(100)が手元に残るので20の利益になりますと。ノーリスクで利益出るから割安だよね、買いだ!というロジックらしいです。

清算に関しては、まぁ不可能ではないですが、結論から言うと基本的には難しいです。

理由は何個かあって、まず資産を売却するのにコストゼロはあり得ないのと、すぐに現金化するのが難しいです(流動性の問題)。
それと図のようにA社の株式を全部(100%)買えればいいですが、90%を自分が買って10%を他の株主が持っている場合は、他の株主(少数株主)の合意を得ないと後で揉めるケースがあるので、そこも調整が必要です。
ましてや1%も保有してない個人株主が清算を要求するなんてどれほどの影響力が…ってのはこの辺でやめておきます。。

なので実務的には、PBR1倍割れは清算して(ryというのは、正直「お、おう…」という感想しかありません。

■PBR1倍割れだから割安とは限らない

①については上で説明したとおりですね。
では、もう一つの仮説です。

カタリストとは「株価上昇のきっかけ」という意味です。
つまり、PBR1倍割れは割安かもしれないけど、1倍割れしていること自体が株価上昇の条件にはならないよってことです。
ここで思い出してほしいのが、先ほどの「株価が動く理由」です。
株価が動く要因は「期待」と「利益」でした。さらに株価上昇の直接的な要因になるのは利益でした。

--------ここから少し複雑になるので、飛ばしてもらってもOKです---------

ファイナンス理論では、先ほど出てきた「企業の稼ぐ力」すなわち価値を計算しようとする理論があります。(企業価値評価)
その理論だと、企業価値=将来キャッシュフロー(企業が将来稼ぐお金)を現在の価値に換算したもので株価が計算されます。
いわゆる理論的な適正株価を算出します。マーケット界隈では理論株価と呼ばれたりします。

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長くなりましたが、結論としては、図2と3で見たように、「PBR1倍割れというのは単なる株価と純資産の比率でしかなく、それ自体が売上や利益に何か影響を及ぼすことはない」というのが僕の考えです。

■まとめ:株価は利益に収束する

しかし、実際にPBR1倍割れを買い、リターンが出たという結果もあります。
PBRが間違いだというつもりは毛頭ありません。
ただ、PBRが1倍割れという理由だけでは上がらない可能性が高く、結局は利益など別の観点も併せて分析しなければ危険だと思います。(いわゆるバリュートラップというやつです。詳しくはググってみてください。)

■最後に

上で説明したとおり、株価の決定要因として一番強いのは何より「利益(業績)」です。短期的には期待先行で正しい株価にならないかもしれませんが、長期的には利益(業績)に収束するということだけでも覚えていただければ嬉しいです。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

今後もマーケットや企業分析、投資に関するnoteを書いていく予定です。
<書きたいことリスト>
・インデックス投資と確定拠出年金
・企業分析をアップデートする
・チャート分析だけで判断するのは危険
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