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ザ・フーについて

 ポール・ウェラーと同じく好きなのがフーである。これまた、すごく影響を受けた。

 ただ、フーを初めて聴いたのはポール・ウェラー関連の作品より早く、高校2年のころだった。以前書いたように、私は高校2年のときにイギリスにホームステイしたのだが、そのときにクラスメイトがフーのベスト盤を購入していた。帰国後、それを貸してもらって聴いたのが最初だ。

 一曲目が『I Can’t Explain』だった。めちゃくちゃかっこよくて、すぐに好きになった。何が気に入ったかというと、一番はドラムだった。フーを聴くまでに、すでにビートルズやストーンズは聴いたことがあった。しかし、フーのドラムはそれらのバンドとは明らかに違う。暴れまくっているのだ。ビートルズと同世代のバンドで、こんな破壊的で衝動的なバンドがいたのかと、大好きになった。

 ちなみに二曲目は『My Generation』だったのだが、これに至っては全パートが暴れ狂っていた。ベースのソロ部分なんか、稲妻が走っているようだし、最後の方のドラムは、何やってんだか分からないくらいだ。もはや感動的だった。ちなみに、ノエル・ギャラガーがフーについて、「全員がリードなんだ。イカれてる」と言っていたが、これほどまでフーの魅力を端的に表した言葉はないと思う。本当にイカれてるのだ。

 その後、フーの作品はほとんど聴いたが、自分としては初期のフーが大好きだ。黒さを感じる渋い感じと、ドカドカうるさい感じが大好きだ。『Tommy』とかは正直今でもよく分からないところがある。『Who’s Next』はすごく好きだ。ドラムがケニー・ジョーンズになったときのフーも、案外悪くないと思った。

 2009年だったと思うが、フーが来日した時に、大阪城ホールまで観に行った。ピートが「もう歳だからあまり高くジャンプできないんだよ」みたいなことを言ってちょこんとジャンプしていたのがかわいかった。しかし、腕はぶんぶん振り回していたし、ロジャーの歌声も渋く野太くかっこよかった。ドラムはザック・スターキー、ベースは多分ピノ・パラディーノだったが、リズム隊の演奏もタイトでかっこよかった。もちろん、ジョンとキースのリズム隊がオリジナル・フーの魅力であることは間違いないが、あの2人のように演奏できる人間なんて絶無である。とにかく貴重な体験で、あっという間に時間が過ぎてしまった。

 こないだストーンズの新作が出て最高だったが、フーやストーンズ、ディランなど、生ける伝説の新作が聴ける状況というのは本当に嬉しいことだと思う。

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