見出し画像

岩明均『寄生獣』について

 自分は『寄生獣』が大好きだ。初めて読んだ時、とても衝撃を受けた。
 
 このマンガで自分が面白いと思うところは、「価値観の転換」だ。最初は、寄生獣というわけのわからない生き物が地球に侵入し、読んでいる方も悪寒を感じ、「寄生獣は怖くて悪い生き物だ」と捉えている。

 しかし読み進めていくうちに、人間の方がよっぽど悪魔的な生き物のように感じてきてしまう。これは「人間とは何か」という問いを寄生獣という地球外生命体を介して追求した、哲学的なマンガだと思う。

 これに似たようなことをやっているのが藤子F不二雄で、短編の『ミノタウロスの皿』とか『絶滅島』だと思う。こういう、価値観を揺さぶられる作品が大好きである。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?