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ゆらゆら帝国について

 ゆらゆら帝国も、大学生の時に好きになったバンドだ。仲の良かった先輩がゆら帝好きで教えてもらい、例によってベスト盤を購入した。

 初めて聴くゆら帝は新鮮だった。今まで聴いたことのないサウンドと、なんだかよく分からんがとにかく印象的な歌詞の世界観が心に響いた。後になって、サウンド面は初期のガレージパンクとか、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドとかの影響があるとか、世界観的には水木しげるの影響があるとかを知って、ゆら帝はその辺にも触れるきっかけになった。

 確か自分が大学3回生の時に、ラストアルバム『空洞です』が出た。すぐに購入し、聴いてみたが、今までのゆら帝の音とは違って、音がスカスカで最初は面食らった印象を受けた。しかし、聴くうちに徐々に良く感じられるようになり、ついには自分にとってすごく中毒性のあるアルバムになった。今でもゆら帝を聴くとなるとこのアルバムを聴くことが多い。

 『空洞です』が出たあとのツアーで、難波ハッチでのライブがあったので行ってみた。上手く言えない、とっても異様な世界観だった(褒め言葉のつもり)。音もすごくて、何がすごいんだか上手く言えないんだけど、とりあえず一緒に見に行った友達のうちの何人かは途中で気分が悪くなって出て行ってた。

 また、その次の年だったと思うが、服部緑地公園であったイベントにもゆら帝が出ていて観に行った。坂本慎太郎が演奏してたマラカスが途中ですっぽ抜けて飛んでいくというハプニングがあり、直後のMCで坂本氏が「あの、新しいマラカス取ってきて。楽屋のリュックに入ってるから…」みたいなことを言ってて面白かった。

 解散を知ったときはびっくりしたが、「完成してしまったから」という理由を知り、「ああ、そうなんか」と妙に納得して、残念だが特に悲しくはなかった記憶がある。

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