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仕事について

 俺は間違っても仕事人間ではないし、仕事ができる男でもない。しかし、ここ数年は、しんどい瞬間は確かにあるが、トータルで見るとわりと仕事面は充実していると思う。

 以前にも書いたのだが、俺は学生時代に大してアルバイトをせずに社会に出たもんだから、自分の労働の対価として給料をもらうという意識が一般的な新卒に比べて希薄だったし、「俺が仕事をして、社会がどうなるかなんて関係ねえぜ」とさえ思っていた。

 しかし最近は、自分がした仕事によって、社会と言うと大袈裟かも知れないが、少なくとも影響を受けている人がいるんだなという意識がある(今更気付いたのかよと言われそうだ)。そう思うと、自分の仕事に対して少なからず誇りがもてるというか、尊いもののように感じられるようになってきた。

 また、同僚たちも、それなりに自分の仕事を評価してくれているという感覚があり、それも素直に嬉しい。俺みたいな者でも、少ないかもしれないが頼ってくれる人がいて、役に立てていると思うと、それもやはり嬉しい。

 さらに、管理職がわりと自分の仕事のやり方を尊重して、自由にやらしてくれているのも大きい。仕事ってのは、言われた通りにやるのではなく、何かしら自分なりの工夫や捻りを加えられた方が、面白味は増えると思う。

 しかし、こう感じるのもここ最近のことで、仕事量もめちゃくちゃ多いわけではなく、余裕が作れる状況にあるから、上記のように感じられるのだろうとも思う。数年前は、ものすごい仕事量で、深夜まで残業し、休日出勤も当たり前だったので、こんな余裕は全くなかった。「余裕がある」というのは、自分にとってはすごく大切なことだ。人間関係も、近すぎず遠すぎずというのが好きということにも通じる。また、余裕のない状況は、情熱を簡単に搾取していくことも経験的に知っている。あのような働き方は二度としたくないものだ。

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