部下からの相談「本当にやりたい事」の見つけ方

永遠のテーマ「働く目的」

部下や新卒採用の学生と面談していて、一番多い相談が

◆自分の本当にやりたい事が見つからないんです。
◆入社時に決めた「働く目的」に不一致を感じています・・。
◆10年後の自分が全く想像できない・・。

などの「夢」や「働く目的」についてです。

うちの会社では、ここで悩む人がかなり多いですね。

でも何を隠そう、私自身も最近まで「確固たるもの」は無かったんですが。(現在40代)
それでも、部下や学生の為にアレコレ考え、本や動画で勉強をし、社外研修にも参加して必死に関わってきました。

人生理念から人生ビジョンを描き、目標設定していくという骨子はあっても、その骨子と具体化には大きな隔たりがあり、特に若い人がそこに確信を抱くには少し無理を感じていたのも事実です。


先月も、入社3年目の田中くん(仮名)と雑談している時に

「自分のやりたい事が本当にそれなのか・・再度考えてるです・・」

と、以前考えた「働く目的」に再度迷いが出てきたし、未来が映像として浮かばないようでした。

これで何度目か解らないが、帰宅して再度、田中くんの将来について考えました・・。

今までの学習と、自分の経験、そもそも夢や大志・長期的な目的はどのように生まれるのかを総合的に考え「ある仮説」にたどり着きました。

「やりたい事」「好きな事」から考えてはいけない

若い頃から自分の人生の目的に「確信」を持っている人と、人生(仕事)の目的を探し続ける人を比べてみると、とある傾向があるなと考えました。

やりたい事から考える

人生の目的に悩み続ける人の多くは、「やりたい事」から考える傾向にあります。
自分の「やりたい事」「好きな事」を考え、その後自分の「強み」「他者から褒められる事」などを考え、無限ループにハマります。

何とかひねり出した「目的」を一旦掲げますが、そこには「確信」が無いので後々不一致を感じやすいように感じます。

若い頃から漠然とでも「目的」があり、そこに「確信」を感じている人の傾向は、「小さい頃からスポーツをやってました」みたいケースは別にして、世の中に求められている事や、問題自分の属する組織が求めている事などを考えて、好奇心を持って調べていくうちにそれを解決する方法「できる事」が浮かび、自然と「やりたい!」につなっがているのでは?

と仮説を立てました。

やるべき事・求めらている事

つまり、自分の欲求から考えるのではなく、世の中の仕組みや、会社や業界の事を幅広く知る事から始めるべきなのではないか・・

もっと言うと、「目的」が見つからない人は、まずはそのロジックを理解し、「好奇心」と「知識の探求」を身につける必要があるのではないかと思うのです。


早速、私は自分の事例も交えながら、この仮説をパワポにまとめ、田中くんの面談で話しました。
あくまで仮説なので、本人が参考にするかどうかは自由です。

しかし、本人も気づきがあったようで、帰って何度も見返し、次会った時は晴れ晴れとしていました。

このロジックが腑に落ちた所で、すぐに見つかるものでもないですが、無理の探す事がむしろ考えを拗らせる原因になっていた事が解っただけでも、田中くんの気持ちの前進につながったようです。

私自身の「人生の目的」

私は通常のホテルマネージャーもしながら、全社の人事・労務管理も兼任しています。
(まだ社員40人規模の会社なのでそれも可能です)
そのため、部下だけではなく、新卒採用の学生さんたちの面談もしています。
年間約180回(1回約1H)の面談をする中で、沢山の壁にぶつかりました。

課題は多岐にわたりますが、大抵の原因はマインドです。
そこに対して上司(私)の理論と経験が不十分なのも課題でした。

部下の離職も何度も経験しました。
ある人材育成会社の研修の学びで、一定のロジックと解釈を手にする事ができて、一旦は自分自身の土台は出来たように思います。
面談の中でも、自分にフォーカスする事なく、純粋に相手にむかい、相手の長期的な幸せを考えて関われるようになりました。

しかし、人間は複雑です。
いくら一生懸命導こうとしても、その複雑性に対処できる具体的な武器(ロジック)が大量に無ければ太刀打ちできません。

そこで、日々経験を積みながらも、本や動画で勉強を重ねていました。

そんな折、ある方の人材育成動画見て15分くらいで、全てがつながりました。
自分が正しいと思ってやってた事はやはり正しかったのか・・ロジックが自分の中に確立されてなかっただけだ・・。とか
この理論を体系的に学べば、もっと会社は良くなるし、再現性を持って後輩につないで行ける!
とすごくワクワクしたのを憶えています。

そこからの私の学習スピードは倍増しました。
努力が全く苦にならないとはこの状態か・・と久々の感覚を味わっています。
夜2時に目が覚めて、人材・組織学習系の本を読み、いつの間にか朝になる事もあります。
私はこの会社の人事制度、育成制度を変え、他社にも伝えて行きたいと考えています。
そこの具体性はまだ無いのですが、ただ「確信」はあり、「何者かになれる」という自己効力感を抱いています。

自分の体験からも、「目的」それ自体を探している時は見つからないものだなと感じますし、ごく自然に、ごく突然につながるものだ考えます。

知識が縦にも横にも広がってないうちは、そこの手助けをいかに効率良くしてあげられるかがカギなのかも知れません。



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