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日系ホテルの進出地 その5 ビーチリゾート

日系ホテルチェーンの海外進出地について解説するシリーズ、今回は日本人に人気のビーチリゾートへの進出状況について纏めて掲載します。

日本人に根強い人気のハワイ

ハワイは言わずととしれた日本人の人気の観光地ですが、日系ホテルの進出状況はどうでしょうか? 

かつてバブル全盛の頃の日本人のマーケットへの影響力は大きく、リゾート系ホテルを手掛けるチェーンも多く進出しました。但し、最近はこれらの進出ブームも去り、現在、純粋な日系チェーンとしてはプリンスホテルくらい。一方、大手チェーンの多くが、提携の形でポートフォリオに組み込んでおり、いわゆる旧御三家を例にすると、帝国がハレクラニ、オークラがカハラリゾート、ニューオータニがカイマナリゾートなどとの提携を行っています。ですが、いわゆるリファーラルと呼ばれる予約提携的な関係が多く、日系ホテルとしての運営とは程遠い状況です。ハワイでの日系マーケットは依然一定の規模を保っているので、外資系チェーンでも日本語対応をうたっているホテルがいくつもあり、日系チェーンとグローバルチェーンの違いはそれほど見られない状況であるのはハワイマーケットの一つの特徴といえるかもしれません。

お手軽なグアム

ひと昔前、グアム&サイパンといえば、下手に国内旅行にいくより安くて近い人気のビーチリゾートでした。サイパンについては、もはや日本からの直行便もなくなり、今の若者にとっては馴染みのないリゾートになってしまいましたが、グアムについては国内主要空港からの直行便もあり、かつてほどの賑わいはありませんが健在です。日系企業としては、古くからニッコーホテルが進出、そのほかにも、ケンコーポレーションがツバキタワー、星のリゾートがリゾナーレを展開しています。ケンコーポレーションについては、島内にオーナーシップを持つホテル(運営受託、フランチャイズ)を複数所有しており、外資系ブランドにありながら日本マーケットを意識した運営がされているケースも散見されます。

大人のリゾート、バリ島

家族連れのイメージの強い上述のリゾートですが、インドネシアのバリ島は、それらとは一線を画した大人向けのリゾート地という印象があります。場所柄、アジアのみならず、欧州マーケットの取り込むも進んでいるエリアですが、日系の進出事例もいくつか見れます。先ずは、やはり海外展開では他を一歩リードするオークラグループ(ニッコーブランド)での出店、そして、星のリゾートが「星のや」ブランドの海外初進出の地に選んだのがバリでした。バリにおいてはビーチリゾートのみなならず、隠れ家的なリゾートも多く存在し、そのあたりは星のやの進出のコンセプトに合致したものと思われます。

今後注目のエリア

さて、今後日本人に人気を集めそうな(日系ホテルが進出しそうな)エリアはどこでしょうか? 筆者は、タイ、ベトナム、マレーシアなどの東南アジアのリゾートはポテンシャルが高いのではないかと思います。ビーチのみならず、文化的な味わいもありますし、まだまだ物価も安く、リゾート開発の余地は十分でしょう。既にベトナムのダナンなどは小規模な日系ホテルも進出を始めており、今後、大手の進出のニュースも出てくるかもしれません。

今日はこのあたりで。


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