くるぶし くるみ

頭の中でいつも音楽が鳴り響いている人。

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叶えられた祈り

   カポーティを好きだったのは、20歳の頃。  性的に奔放な人が出てくる話が好きだったし、たぶん自分もそうなりたかった。でも、初めて肌を合わせた時に、わかってしまった。あぁ、これは特別な誰かとじゃないと意味のない行為なんだな、って。  すごく好きになった人でも、いなくなる予感のする時には結局泊まったりしないで。今ならきっと問題ないのだろうけれど、あまりにも好きだったから、最後までしたら自分が壊れちゃうのが目に見えていた。  たとえば、他の人と寝るくらいなら、このまま死ん

    • 続 叶えられた祈り

      大きな手に頭を撫でてもらう夢を、年に何度か見た。 夢の中の彼は、あの頃と変わらない姿と温もりでわたしを包んで、もう思い出せなくなったと思っていたのに、唐突に記憶がよみがえる事が不思議だった。たったそれだけの夢の中、きらめく光の中でその幸福を味わって、目が覚めてもその余韻がしばらく残った。 わたしの好きだった人が、すてきな女の子と結婚して、幸せに暮らしている姿を想像して、どうかそんな風に幸せでいる事を願った。それくらい大切に想っていたし、彼が幸せであるなら、わたしと結

      • 見える世界がきらめくわ

        お城の夢を見た。 白と金を基調とした室内に、窓はガラス張りで、窓の外は一面に森が広がっていて、綺麗な川が流れていた。 きらびやかなチョコレート屋さんを訪れて、上に上がる小さな階段の事を訊ねると、そこに一泊できるのでしてもいいと言われる夢。少し前まで、泊まるホテルのことばかり調べる日々だったからこんな夢を見たのかもしれない。 住宅街にあったはずのチョコレート屋さんの2階、3階、4階の外が森だなんてありえないけれど、私の中でお城は森の中にあってほしいという気持ちが強いせいかそん

        • 2021年 1月

          2021年が始まった。始まってすぐに夜の新宿を歩くことが罪になるなんて思わなかった。緊急事態宣言を受けて、わたしの予定は大きく狂った。歩きたい歩きたい歩きたい。だけど感染してしまったら、生きていることさえ難しくなってしまうから。逢いたい人にますます逢えなくなってしまうから。だからsnow jamでも流して深夜から明け方の自分の時間を過ごす。 年末年始に休んで気がついた事がある。 日々の仕事を120%の力を費やしてやっていかなくてもいいのだということ。手を抜いていい仕事じゃな

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        叶えられた祈り

          恋愛

          自分の気持ちが少しも定まらなくて、いつまで経っても文章を書けなかった。 安心できる人と時間を過ごしたい。甘やかされたい。幸せにしてもらいたい。好きな人の支えになりたい。幸せにしてあげたい。 誰と?というところが問題で。 自分が幸せになれるのなら誰だっていいんじゃないかという気持ちに今少しなって、全然私らしくないなって。 どうしてこんなに変わってしまったんだろう、とぐるぐると考え続けて、ようやく答えが出た。 数年前までは、私は一途でまっすぐで素直で、見返りなんて期待しな

          目のこと、「一度も気になったことない」って言ってもらえて幸せだったな。安心して過ごせた。なのに何でこんな地獄みたいなこと言われなきゃなんないの…

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          都合の良い扱いを受けやすいの、ほんとやめたい。100%の好意を表すことは本当は危険だとわかっているのにそうする以外できなくて尻尾を振ってしまうのは頭悪いなと思う。

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          2020/11/24

          3日間本当にゆっくり休んだから、心が上向きになった。切れていた修正テープを買い直して手帳の予定をどんどん消していったらすっきりした。 彼の中身が自己愛でしかないことを忘れていたし関わるとこんなにもボロボロになる。うわべだけでいとも簡単に100点満点の振る舞いができるからって、それがすべてじゃないし、そんなものがいつまでも続くはずなかったのだし。 わたしだって自分なりの100点満点を頭で構築して再現することはきっとできる。だけどそれは自分ではなく解離した別なわたしなんだと知

          2020年の恋人たち

          島本理生の新刊の発売日をチェックしてから、早く買いに行きたくて仕方がなかった。 それがあれば、わたしの三連休は満たされたものになる、という確信があった。 他にも読み進めている本はあるけれど、島本理生の、しかも新刊だなんて魅力的過ぎる。 本屋さんに並べてある数々の新刊の中から一瞬で見つけてレジへ持って行く。カバーはお断りしたのだけれど、レジ袋のない世界で本を買うと剥き出しのまま手渡しされる、という現実を忘れていたので、慌ててエコバッグを出す。どうか擦れたりしませんように。 無

          2020年の恋人たち

          少し外を出歩いて普通にごはんを食べただけで、体調不良をぶり返して、今、熱を測るのがこわい。荒れに荒れた内臓はいつになったら回復するんだろう。頭の中がざわざわする。

          少し外を出歩いて普通にごはんを食べただけで、体調不良をぶり返して、今、熱を測るのがこわい。荒れに荒れた内臓はいつになったら回復するんだろう。頭の中がざわざわする。

          ヴェポラップの効能

          体重を2㎏落としたら満足したはずなのに、今週でもう1㎏落ちていた。どうりでフラフラするはずだ。このままだと自律神経がおかしくなるかもしれないし、精神的にも不調を来すかもしれないし、ホルモンバランスが崩れて生理周期もおかしくなるかもしれない。 自分の納得いくスタイルを維持するのは難しいけれど、それ以上に、健康でいることの方が難しくなってしまうのは本末転倒で嫌なんだけどな。 シャワーを浴びるだけで震える身体を引きずりながら、明日も無事に働けますようにと祈るばかり。 ヴェポラ

          ヴェポラップの効能

          月の向こう側

          「もう◯◯じゃ無理」 数分前、その言葉を聞いて、やっと納得した。 破壊力のある言葉だったけど、その一言で、わたしのつけていた重い鎧の鍵がガチャリと開いて、鎧は大きな音を立てて地面に落ちた。ざぁざあと降る雨の中、わたしは完全に自由になった。濡れることなんて構わない。もう二度とこの鎧を見に纏うことはしないし、一瞬だって関わることはない。 もう彼の生活の心配も、精神の心配もしなくて済む。そして自分のこの先の心配も。 思わせぶりな言葉に惑わされることもなくなる。プラチナの指輪をあ

          ロスト・イン・トランスレーション

          スカーレット・ヨハンソンの儚くて綺麗な表情と色っぽさが印象的な映画は、こんな雨の朝に、一人で、久しぶりに涙が止まらなくなってどうしようもない気持ちで、寝巻きのまま朝食を食べながら観るのにふさわしい。 20歳の頃と変わったのは、飲み物が珈琲ではなく、お茶になったことくらい。 自分の感受性の強さにずっと苦しめられてきた。 大人になって、少しずつ鈍くなってきたことを喜びながら過ごしてきたけれど、こんな朝は昔みたいに泣いたって仕方ない。毎晩悪夢に苦しめられて、もう限界だった。お休

          ロスト・イン・トランスレーション

          心のスイッチ

          もう限界だなってくらい、今週も6日間働いて、帰宅した後すぐに分厚めの文庫本を読み始めて、最後まで読んだ後にLINEライブを聴いて、疲れて麻痺した心がやっと少しだけ動いた。 心のスイッチを切り替えること、大事だよと話していた。 どんなことも前向きな意味で受け止めて、自分の機嫌を上手に取りながら、今いる自分の場所に満足することも。 人を羨まない、愚痴を言わないことの大切さも。 そうやって生きている憧れの人の存在に元気をもらって、来週からもどうにか生きていけそうな気がしてい

          悲しみは運命のカーテン

          心は既に泣いていた。責め立てるずっと前から。 もう全然好きじゃないことが救いだった。 こうやってかなしむことは初めてじゃないからこそ、もう何度目だろうと目眩がした。 あなたが独りでいる訳なかった。 掛け金は0(誰かと賭けをしていた訳ではないけれど)で、はなから期待などしていなかった。 ただ救いようがないという事だけを確認したかった。 わたしの疑念は間違いなんかじゃなかったでしょう? ものすごく長い悪夢の中で、それでもあまりにも幼くて助けが必要でそこにあなたがちょうどよく現

          悲しみは運命のカーテン

          夜の来訪者

          突然家族のお客さんが来ることになって、もう全部無理になって泣きながらパフェを作った。コーンフレーク、キャラメルアイス、ブルーベリー。21時。何でこんな事で決壊するんだ、とばからしくなり、それでも涙は止まらず、パフェもまだ口にしていない。 自分が正しいと思うこと、人として選ぶべき行動を必ず選ぶようにして生きてきた。 自分が納得できるのが一番だと思って。 それなのに、壁にぶち当たるし、躓いて怪我をしてぐちゃぐちゃになる。 わたしの選んできたこと、選んでいくことはこれでいいん