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ヴィジュアル系インサイドセールスが書く「ホッとする」ノート:泥だらけの就職活動〜弐〜

このnoteは、2019年8月20日に配信した「ホットリンクのメルマガ」のバックナンバーです。メルマガ講読フォームはこちらhttps://service.hottolink.co.jp/mailmag/

こんにちは。ホットリンクのインサイドセールス担当、堤です。



前回から、ヴィジュアル系バンドマンの就職活動編3部作を始めましたが、今回は第2部になります。
(第1部は こちら



就職という多くの人が通る道。そこにはそれぞれのドラマがあると思います。
みなさんには、どのようなドラマがありましたか?



私はホットリンクに入るまでに2度転職しています。
在籍した3社全てで、大切な出会いがあり、挫折があり、学びがありました。



その3社を、3部に分けてお話ししようと思います。



今就職活動や転職活動をされている方、もちろん今の会社で頑張っている方、みなさんに何かメッセージが伝われば幸いです。



それでは第2部。
入院し職を失った私が、IT業界へ進むキッカケとなった、2社目のお話・・・。



私は入院中から、退院した後も、深く喪失感に苛まれました。
音楽を失い、信じた職場を失い、まさに夢破れた事を実感しました。



何をすれば良いのか分からなかった。やりたい事が見つからなかった。
毎日、生きているようで死んでいる・・。



そんな時でした。第1部で私の人生を変えてくれた営業部長から、数年ぶりの連絡がきたのです。



久々に会うと、部長はフィンテックの業界に入り、更なる活躍をされていました。
それに引き換え私は・・。



部長は風の噂で私の状況を知っていました。心配になり連絡をくれたのでした。
そんな私にまた、その後の人生に大きく関わる話をしてくれました。



「とにかく、早く動け!ずっと社会人経験がなかったおまえだが、前職で活躍した実績があるだろう!
それこそが転職で使えるおまえの武器だが、このまま時間が経てば経つほど程、その武器は弱くなるぞ」



しかし私は、前職はアルバイトから正社員になった為、初めから正社員で就職するイメージもなければ方法もよく分かりませんでした。
すると、部長もお世話になったという転職エージェントを紹介してくれました。



そこからは私、エージェント、そして部長も加わり、いかにビジネスマンのキャリアが乏しい私が転職を成功させるか、作戦を立てていきました。



何をもって成功なのかは様々ですが、当時の私はとにかく人間的な働き方ができる会社に入りたかった。
前職で入院している事もあり、もう二度とそうなりたくなかった。



もちろんスムーズにはいきませんでしたが、エージェントと部長のサポートのおかげで転職先が決まりました。
ITスタートアップ企業の経営者が、夢を追い続けた私の人生に共感してくれ、大きな期待と共に採用してくれたのです。



もちろん希望通り、人間的な働き方ができる会社で、私の生活は安定しました。
嬉しかった。こんな私でも、まともな道を歩めるのだと。



この時に私は、バンドマン時代から交際していた女性にプロポーズしました。
それまでは、とても結婚など考えられる状況ではありませんでしたが、今なら伝えられると思いました。



しかし、まだ借金や様々な問題が残っており片付ける時間が必要でした。そこで2人で約束をしました。



「一年半後、12月24日に結婚しよう」



私はやる気満々で新しい仕事を始めました。
前職で活躍した経験から営業には自信があり、すぐに結果を出せると思っていました。



この時はまだ気が付いていなかったのです。自分が井戸の中の蛙だという事を・・。



同じ営業とはいえ、前職とは商材も違えばターゲットも違います。
今回は専門的なスキルや、幅広い業界知識が必要で、私の前職での営業術はまるで通用しませんでした。



私が得意としていた、粘り強さや押しの強さは逆に空回り、ビジネスマンとしての経験不足が露呈しました。



ビジネスマンとしてのスキルがない・・知識がない・・常識がない・・
何度も何度も、恥ずかしい場面に遭遇しました。



私に対する、周囲からの期待値はどんどん下がっていきました。



私は何もできなかった。どうにかしようにも、何を勉強すれば良いのかすら分からなかった。
それくらい、私の次元は低かったのです。



私はそれまでは正直、社会人の方達を斜に構えて見ていました。
「人生を賭けて、必死に夢を追い続けてきた自分とは全く違う人達だ」と。
前職で、すぐに営業成績がトップクラスになった事もあり、尚更思い上がっていました。



しかしこの時に初めて知ったのです。
学校でちゃんと学び、社会に出てビジネスを学び、努力を積み重ねてきた人達がどれだけ優秀かという事を。



みんな必死に努力している。それはバンドマンでもビジネスマンでも変わらない。
そして、手取り足取り教えてもらえるほど甘い世界ではない事だって変わらない・・・。



何をすれば良いのか分からず、私は自信を失い、会社に居場所がないと感じるようになっていきました。
私を採用してくれた社長は、根気強く私と向き合ってくれました。
しかしそれでも、スタートアップ企業のスピード感の中で、私の遅れは致命的となっていきました。



この頃、私はよく過去を振り返り、現在の自分と比べては自己嫌悪に陥りました。
輝いていたバンドマン時代・・理想の自分の姿・・共に夢を追い、いくつもの夢を共に叶えた仲間達。あの頃にはもう戻れない・・。



・・・今のカッコ悪い自分は、いったい誰なんだ・・・?



そんな中、約束の結婚の日、12月24日を迎えました。
私は正直、不安でした。このままビジネスの世界でやっていけるのか?
彼女を幸せにする事ができるのだろうか・・・?



当日は入籍届を提出し、夜は2人で大好きなLUNA SEAのコンサートを観に行きました。
定番曲の「WISH」の歌詞が自分の気持ちと重なり、涙が止まりませんでした。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
自分の居場所さえまだ分からずに
行き場所も分からずに
明日さえ怖がっていた
冷めた瞳のまま
だけど今は擦り切れたこの夢を抱きしめて
I wish for...こんな夜には、夢見て...
I wish for...失くした全てに、今も...

※LUNA SEA「WISH」より
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


年末の仕事を終え、忘年会がありました。
そこで私にとっては屈辱的な、心が折れそうになる出来事がありました。



情けないのですが、私は泣きながら家に帰り、妻に心配をかけてしまいました。
そのまま年末年始の休みを、鬱々と過ごしている私に妻は言いました。



「もう、辞めなよ。もっと合う場所が絶対あるよ。この1年半、ずっと辛そうで別の人みたいだった。昔みたいに、笑っていてほしいよ・・」



結婚した直後に仕事を辞めるとか有り得ないよ・・と伝えましたが、
「バンドマン時代の方が色々有り得なかったから大丈夫!」と、妻は笑ってくれました。



私は社長に正直な気持ちを伝え、よく話し合った結果、退職する事になりました。
退職後も含め、社長は定期的に連絡やアドバイスをくれ、全く成果をあげられなかった私でも温かく送り出してくれました。



前職の時は、活躍したにも関わらず、最後は捨てられるように退職になりました。
この会社では、期待に応えられず、決して良い辞め方ではなかったのに、最後まで向き合い続けてくれました。今でも本当に感謝しています。



このように私の2社目は

・私に共感してくれた経営者との出会い
・営業としての挫折
・結婚

といったドラマがありました。



この会社で学んだ事は 「ビジネスの世界での己を知る事」でした。
バンドマン時代の栄光や、前職での営業としての成功、それはごく一部の世界での話で、一歩外に出れば通用しない。
長い年月をかけて努力を積み重ね、力をつけてきたビジネスマンと私には、明確な能力差がある事を肌で知りました。



しかしこの事に気が付けたのは、今は私の大きな原動力となっています。
危機感を持つ事で、行動を変えられるようになったからです。



そして、自分の心は思っていたよりも弱い事を知りました。
私は13年間のバンドマン人生で、心が折れそうになった事は何度もありますが、本当に折れた事は一度たりともなかった。
引退した時は折れたと言えるかもしれませんが、前向きに引退したのでそんな感覚ではなかった。



しかし、環境が変われば、心の強さなど簡単に変わってしまいました。
その後私は、強い心を取り戻すのにかなり時間がかかりました。



私は逃げるように「IT業界が合っていなかったんだ」と自分に言い訳を作り
業界を変えて転職しようとしました。



しかし・・・



前回以上に転職活動は難航しました。まず、書類審査すらも通りません。
10社、20社、30・・40・・通りません。



ようやく数社面接に漕ぎ着け、手応えがあっても受からない。
理由は必ず「社会人経験の不足と年齢」でした。



高校卒業後は13年間ミュージシャンで、ビジネスマンとしてのキャリアはその後のほんの数年。
前職で実績を残している訳でもなく、年齢も重ね、更に異業界というのはかなり厳しいというのが現実でした。



予定していた時期を過ぎても就職先が決まらず、そもそも面接にすら辿り着けず、私は焦っていました。



そんな時でした。前回の転職活動の時にお世話になったエージェントから連絡があり、相談に乗っていただく事になりました。
希望している事や、不安な気持ち、前職で自信を失くしてしまった事・・正直に打ち明けました。



相談する中で、私に気付きを与えてくれる話がありました。



「そもそも、堤さんの悩みは業界を変える事で解決する内容じゃないと思います。話を聞いていると求めている事はシンプルで、
大変でも良いから楽しく仕事をしたい事、本音で話せる仲間と一緒にいたい事なんだと感じます。それってIT業界かどうかって関係ないと思いますよ」



その通りで、当時の私はただ「IT業界が合っていない」と自分に言い訳をしているだけでした。



そしてこう言われました。



「もう一度IT業界にチャレンジしてみませんか?それならば、堤さんに合いそうな、紹介したい会社があります」



ある種トラウマになっているIT業界・・・更には上場企業との事でした。
正直自信が持てない事、そしてそもそも私なんかが入れるのか?とエージェントに聞きました。



エージェントは自信満々でした。
「とても柔軟な考え方の会社ですので大丈夫です!堤さんのようなキャリアの方も馴染みやすいかと。すごく面白い会社なんですよ!」



渡された資料に目を通しました。



・・・SNSマーケティング・・・



・・・クチコミ@係長・・・



・・・ ホットリンク・・・?



第3部へ続く~ 

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