時をかけるおじさん 24 / ひとりになるということ

今日は母が抗がん剤を新しいものにするため、昨日から二日間入院している。それにあわせて父もショートステイという短期宿泊のサービスを利用している。弟もこの家に同居はしているが彼女と半同棲していて不在。昨夜はすごく久し振りに、この一軒家で一人で寝て、一人で起きた。

なんてことはない。でも、ひとりの家に帰ることを久々にした。外泊などとはわけが違う。一人暮らしとは似ているがちょっと違う。かつて人がワイワイとしていた実家に、ひとりで帰るのだ。

今日がどうという話じゃなく、
この先、わたしはこの『ひとり』に耐えられない気がする。

なんだか急にそういう感情が襲ってくる。
親を亡くすというのはそういうことなのか、というジワジワとした予兆。まだなにがあったわけでもないのに。そういう予感ばかりがしている。

この家をどうするか、父をどうするか、私はどこに行くのか。そういう途方もない不安と予感だけがある、ひとりの朝。

最近なんだかふとしたときに不安定になるのは、生理のせいだと信じたい。

(文/ほうこ)

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