時をかけるおじさん 1/ 著者 ほうこの事情(ダイジェスト編)

まず、今この文章を書いている自分について、平たく紹介します。
名前はほうこ。32歳女。

いきなりきわめて個人的な話で恐縮ですが、
2017年6月。私、ひいてはわが家族に隕石が落ちてきたのです。

2017年初夏、まず私は、出会って6年、ほぼ4年間付き合った彼と婚約破棄をし同棲を解消した。(と、書くとこの6年が1行で書けちゃうんかーい)

経済的事情もあり、実家が都内である幸運もあったので、とにかく実家に引っ越すしか道はなかった。
とはいえ、まあ複雑に絡み合った怒りも失望も含め、まだ感情冷めやらぬままで、仕事も何もかも手につかず、進められるものは目の前の引っ越しだけ。
父の病気は数年前から分かっていたし、母がほとほと手を焼いている状況も知っていた。
だからこそ私のこの引っ越しには、出戻り以上の意味合いを感じざるをえなかった。

そんなダンボールまみれの状況下で、自身の通院で、検査を終えた母から衝撃のLINEが届いた。

「癌の疑い。しかも転移している可能性が高い」

緊急で病院を紹介してもらい検査入院を経て、
出た結果はステージ4の癌だった。

……えっと、ちょっと話のボリューム多すぎましたか?
前回歌うようなテンションとか言っておきながら、すみません。

とはいえ、しょうがないんです。このペースで私にも降ってきたので。


「人生にはいろいろなことがある」

「不幸なことはたくさんある」

「自分以上に辛い人はたくさんいる」

「自分が世界一不幸だなんてことはありえない」
そんな誰が言ったとも知れない世の中の常套句をいくつも言い聞かせてみた。

それでも私は、すぐに元気に前向きに全力で走り出せるような素晴らしい人間ではなかった。
まあ人間らしいとは思う。

男性関係で痛い目を見たのは最終的に、選んだ自分のせい。
けれど、病気というのは選べるものではない。
さらに家族の病気、自分の身ではない身近な誰かの痛みというのは、感じられるようであって完全に感じられるものではないし、感じきりたいものでもないのですよね。それって、まあまあ辛すぎる。

文・絵 / ほうこ


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ほうこ

時をかけるおじさん

65歳、若年性認知症の父は、 今日も過去も未来も星座も行き来している。 そんな、ときかけおじさんの話を、 歌でも口ずさむようなテンションで できれば書きたいなと思っています。
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