時かけ

時をかけるおじさん 22 / 通所施設を探す旅

こんばんは。ほうこです。またもや相当な期間が空いてしまいました。
先日、自分の文章を読んでいただいた方と直接お会いする機会があり、そんな経験も後押しして、改めて文章を書きたいという気持ちになり、過去に書きためてあった文章の続きの更新から、ちょっとずつリハビリがわりに文章を書いていきたいなと思っています。

ここ数ヶ月、特に大きな出来事があったというわけでもなく、淡々と日々は進んでおり、父の病気は目に見えて進行していたり、母の病気は目に見えづらいところで進行していたり。私は仕事でてんやわんやしていたりと、そういう日々。私は目の前のことが忙しくなるとぱたっと手が止まってしまう癖があるのです。

話もまた時系列がゆがんでおりますが、改めて、父が通所施設を探していた頃の話に続きを書きたいと思います。
なんとその話を書いたのは4月!(呆)父の介護認定の話でした。

右も左も福祉の用語も全くわからなかった私が、なんとなく学んできたことたちのことを、遅ればせながら書いていきます。今回は、福祉サービスを受けるために必要な「介護認定」を申請した後、実際に福祉サービスを受ける施設を見学しに行ったときの話。

父はどういう施設が合うのか?を探す

父は比較的若い(当時65になったばかり)ので、「体を動かす機能訓練がある」という通所施設がよかった。とりあえず一応体は動かさなきゃという思いだけはある父に、「送迎つきのジムだよ〜」という説得がなんとなくできるということもあり。そしてゆくゆくのことを考えて、できればショートステイ(短期滞在)や入所施設も併設しているような総合的な施設。そうすると区内で選べる数はおのずと限られてくるのであった。

施設A:通所リハビリセンター

1日の中で個人のリハビリ時間があったり、ジムのような施設もあるし、公園の中にあるという環境などもあり、ここが一番いいのではないかと思っていた。見学は父本人と母、伯母、私という大勢で行った。本人もまあなんとなく話を合わせるように「悪くない」といっていたが、私はちょっと、閉塞感を感じた。二階は食堂兼共同スペースで、二階はジムのようなスペースがあり訓練を行っており、一階と二階の行き来は鍵がないとできない。つまりリハビリ以外の時間はおそらく共同スペースで過ごすということである。ちょっと説明がしづらいが、うーん…単純に、耐えられるのかな?と思った。公園の中にあるとはいえ、もちろん自由に行き来できるわけでもないし、共同スペースには大きな眺めのいい窓もなかった。

見学は少なく済ませたい気持ちが強かったが、少し引っ掛かりを感じた私は、もう一つの施設も見学に行くことにした。

施設B:機能訓練ありのデイサービス(認知症型あり)

こちらは自宅程近くの施設。まず施設に入って、少しホッとしたのは、施設が吹き抜けになっていて、細かくフロアは区切られているものの、広場のようなホールを中心にして、全体がひと続きになっているような空間使いだったこと。全体的に広かったというのもあるが、少しずつ区切られている教室のようなスペースで、趣味活動をしているグループもあれば、のんびりテレビを見ている人もいるし、読書ができるようなスペースもある。かと思えばボランティアさんがコーラスしてたりもする。なんだか、外からの人の出入りも多そう。施設Aで感じた閉塞感は、ここにはなかった。

父の反応はというと正直Aとの区別があまりつかなかったのだが(多分そんなにわかってない)、もう、そこは自分の直感を信じるしかなかった。
施設Bへの通所を決めた。

そして後日、施設Bのひとが自宅に契約をしにきた。

少し不思議だなと思うのは、手続きもろもろのために、関わる人が実際に家に訪問しにくるということだ。おそらく介護福祉の世界では当たり前なのだろうけど、ちょっと不思議な感覚だ。まあ自宅や家族の状況をみることも大事な要素なのだろう。
しかしAでもBでも思ったけれど、職員の人が若くて感じが良い。そしてとりわけBの担当者のひとは声がでかいという特徴もある。嫌な感じはしない大きさだ。しかし契約書類は大量で、説明や捺印、サインの嵐で、1、2時間くらい平気でかかってしまう。福祉サービスを受けるには何かと書類が発生する。

父が慣れるまではまず週に1回の通所をしましょう、というところから始め、一ヶ月後くらいからは週に2回の通所に増やした。そして大きかったのは、施設での入浴をお願いし、最初は嫌がっていた父だったが、いつの間にか文句を言わずに介助を受けるようになったということだった。お風呂に入ってよという数回の問答ですっかり疲弊してしまっていた家族にとっては、週に1回でも確実にお風呂に入れてもらえる機会はありがたかった。

そのうち、入浴が週に2、3回でも固定的にしてもらえたらいいのにという相談をケアマネージャーさんにしたところ、今通っている施設Bでは通所を週に2回→3回に増やしたとしても、入浴の数は増やせないという。代案として、もう一つの施設Aにも通所するようにし、そこで入浴をしたらどうかということを提案された。少し閉塞感が気にはなっていたが、その頃以前よりも病状が進展してあまり文句を言わなくなってきた父の様子を見て、お願いすることに決めた。

結果的にいうと、今は施設AとBに合計週3日通所し、うち2日間は入浴介助をしてもらっている。父はデイケアに行ってもかなりの確率でうたた寝をしているし、帰りたいということもたまに言うが、家族としては家から出てくれる時間があるのとないのとでは大違い。自分で水分を取ることもご飯を食べることも忘れがちな父を1日促し続けることは、家族だけではできないのだ。

そしてのちに施設Aで「ショートステイ」というサービスも利用し始めることになるのだが、これについてはまた追って。

<文・ほうこ>

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