見出し画像

養生訓 巻六 醫を擇ぶ 鳳凰堂流解釈㉒


原文を現代文に改変

醫書は内經、本草を本とす。内經を考えざれば、醫術の理、病の本源を知りがたし。本草に通ぜざれば、藥性を知らずして方を立てがたし。且つ食性を知らずして宜禁を定めがたく、又食治の法を知らず。この二書を以て醫學の基とす。二書の後、秦越人が難經、張仲景が金匱要略、皇甫謐が甲乙經、巣元方が病源候論、孫思邈が千金方、王燾が外臺秘要、羅謙甫が衛生寶鑑、陳無擇が三因方、宋の惠民局の和剤局方證類、本草序例、錢仲陽が書、劉河間が書、朱丹溪が書、李東垣が書、楊珣が丹渓心法、劉景厚が醫經小學、玉機微義、熊宗立が醫書大全、周憲王の袖珍方、周良采が醫方選要、薜立齋が醫案、王璽が醫林集要、樓英が醫學綱目、虞天民が醫學正傳、李梃が醫學入門、江篁南が名醫類案、呉崑が名醫方考、龔廷賢が書數種、汪石山が醫學原理、高武が鍼灸聚英、李中梓が醫宗必讀、頤生微論、藥性解、内經知要あり。又薜立齋が十六種あり。醫統正脈は四十三種あり。歴代名醫の書を集めて一部とせり。これ皆醫生の読むべき書なり。年わかき時先ず儒書を記誦し、その力を以て右の醫書を読んで能く記すべし。

鳳凰堂流意訳

医学書は黄帝内経、神農本草経を本流、源流とする。

黄帝内経を読み、考えなければ、医術の理、病の本源を知る事は難しい。

神農本草経に通じなければ、薬の性質が分からない為に処方を立てる事が難しい。

同時に食性を理解しなければ、禁止すべきもの、良いものを定めにくく、又食治の法が理解できない。

従ってこの二書が医学の基本となる。

この二書の後は、秦越人の難経、張仲景の金匱要略、皇甫謐の黄帝三部鍼灸甲乙経、巣元方の病源候論、孫思邈の千金方、王燾の外臺秘要、羅謙甫の衛生寶鑑、陳無擇の三因方、宋代の惠民局の和剤局方証類、本草序例、錢仲陽の書、劉河間の書、朱丹溪の書、李東垣の書、楊珣の丹渓心法、劉景厚の医経小学、玉機微義、熊宗立の医書大全、周憲王の袖珍方、周良采の医方選要、薜立齋の医案、王璽の医林集要、樓英の医学綱目、虞天民の医学正伝、李梃の医学入門、江篁南の名医類案、呉崑の名医方考、龔廷賢の書数種、汪石山の医学原理、高武の鍼灸聚英、李中梓の医宗必読、頤生微論、薬性解、内経知要等がある。

又薜立齋の書には十六種ある。医統正脈は四十三種ある。

歴代名医の書を集めて一部とした。これらは全て医師が読むべき書である。

若い時に先ず儒書を読み暗記し、その力で上記の医学書を読んで良く記しておくこと。

鳳凰堂流解釈

上記医学書八割は読んでいますが、貝原益軒が、儒学書に留まっていると言うことは生命、生死の太極が小さく、本来は老壮、孔孟、周易、各宗教やその他の国に遺る医学関連まで網羅して初めて、基礎を構築したと言えると考えています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?