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(4)医心方 巻二十七 養生篇 雑禁第十一 鳳凰堂流解釈

急遽バタバタした週末に連続投稿が切れてしまいましたが、まぁのんびり鳳凰堂で行きます
(*´艸`*) 

千金方からの引用の続き

食事した後すぐにまた食べたりするな

食べたくないのに頑張って食べるな

飲みたくないなら飲むな

重いものを挙げるな

マイナス思考をするな

激怒するな

悲しみ愁うな

大喜びするな

飛び跳ねるな

しゃべり過ぎるな

笑い過ぎるな

欲望ばかり、欲しいものばかりに囚われて苦しむな

怨恨からの怒りを抱くな

全て寿命を損なう。

これを摂生できれば逆に長寿となる。

前回の五労は行動に関する養生でしたが、

今回は感情(東洋医学では七情と言います)の養生

五労は気をつけなきゃいけないなと前向きに考えられますが、七情の養生は現代に生きている限り中々難しいです。

中々難しいと書いた時点で七情の養生はできていません笑

 又、
一日の忌は夜、飽食するなかれ。
一月の忌は暮れに酔はしむるなかれ。
一歳の忌は暮れに遠行するなかれ。
終身の忌は燭を燃して房を行うなかれ。

鳳凰堂解釈
一日、一ヶ月、一年と言う節を基準にした禁止事項。

 又、凡そ人の心に愛する所あるも、深く愛することを用いざれ。心に憎む所あるも深く憎むことを用いざれ。並べて皆、性を損し神を傷る。亦、深く讃むべからず。亦、深く毀(そし)るべからず。常に須べからく心を運らし、物に於いて平等なるべし。如し偏頗なるを覚れば、尋いて即ちこれを改止せよ。

鳳凰堂解釈
愛も憎しみも長期間、深く持つと自分が失われます。

世の中に人の平等はなく、公平しかないと言うのが鳳凰堂の考え方ですが、自分の身体と心は平等にできます。
自分の性質を活かしながら、他を愛する事が自分を愛し、他人を愛する事になり、心神と身体を公平に扱う事になります。

 又、
凡そ冬月に忽ち大熱の時あり、夏忽ち大涼の時あるも、皆これを愛ずるなかれ。天行、時気を患う者あるは、皆これに犯さるるに由るなり。

鳳凰堂解釈
冬に高熱が出たり、夏に酷く冷える事がありますが、東洋医学では前の季節の養生や最近の不摂生が関係していると考えます。
大変だと思うより、過去を参考に見直すと立て直しやすくなります。

又、冬月は天地閉じて血気藏る。人、労作して汗を出すべからず。陽氣を発泄して人を損なう。

鳳凰堂解釈
冬と言う時期は天地自然では閉じる時期。
人では気血が籠もる時期。
熊の冬眠のように大人しくし、肉体労働をして汗を出さないようにする必要があります。
人がこの時期に陽気を発したり、漏らしたりすると寿命を損なうから。

 又、凡そ忽ち龍虵を見て心を興し、これを驚恠するなかれ。亦、意を住めて眈視するなかれ。忽ち変異の事見わるるも、即ち強いて抑えてこれを恠むなかれ。喭に云える、恠を見て恠まずんば、恠自ら壊するなり。

鳳凰堂解釈
やる気を起こさせる映画やドラマを見て、やる気を出したり、心を動かすな。
また、意識を集中してものを凝視するな。
怪奇な事、驚くような事があった時に、
怪しむような心を持つな。
ことわざにも、怪しいものを見て怪しまずにいれば怪しさは自ずから消滅するとある。
見目麗しい美女に会った際には、心を潤す事を主眼として愛する事がないようにしなければいけない。美しすぎるものと魑魅魍魎とは表裏一体。深みに填まると、善も悪となり、それは対象の良し悪しではなく自身の心、内在する神の有様だからである。
空山等の自然であっても同じである。


又、日の出に怒る事のないように。
竈に対して罵詈する事のないように。
日の出に髪で顔を覆わないように。
全て験担ぎとして効果あり。

亀や蛇を殺さないように。
陰霧に唾を吐かないように。
凶事が起こる。

臈日に歌舞しないように凶事が起こる。
古井戸や水の流れを塞がないように。
聾盲になる。

本草の食禁雑法からの引用
亀を殺すな、短寿なる。

鳳凰堂解釈
昔読んだ時は験担ぎや凶事避けとしての知識の一つでしたが、今改めて読むとなる程なと感じます。

理にも実際の現象の連鎖にも繋がるもの。

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