見出し画像

養生訓 巻第三 飲食上 鳳凰堂流解釈㉘

原文を現代文に改変

飲食の欲は朝夕に起こる故、貧賤なる人もあやまり多し。

況んや富貴の人は美味多き故、やぶられやすし。殊に慎むべし。

中年以後元氣減りて、男女の色欲はようやく衰うれども、飲食の欲は止まず。

老人は脾氣弱し。故に飲食に破られやすし。

老人のにわかに病を受けて死するは、多くは食傷なり。慎むべし。

鳳凰堂流意訳

飲食の欲は朝夕に起こる為、経済力の乏しい人でも間違えが多い。

それ以上に裕福な人はおいしいものを食べる機会が多い為、命をやぶられやすい。
特に食事量は慎むべきである。

中年以後元氣が減ると、男女の色欲は徐々に衰えるが、飲食の欲は止まない。

高齢になると脾氣が弱わる。その為、飲食の不摂生で命を破られやすい。

高齢者が突然病となって死ぬのは、多くは食傷である。慎むべし。

鳳凰堂流解釈
食傷によって死に至るまでの流れを説いています。

若いときに大食漢だったり、運動をしていたり、経済的に豊かだと、胃腸が大きくなっており、必要量以上を脳が要求します。

胃腸は年々小さく、水分が少なくなり、消化力も落ちますが、人の欲は今までが当たり前、それより少ないと脳が基準以下だと警告するのです。

脳は今の世の中と同じく、良い悪いを判断できずただただ今までと違うと言う警告ですが、人の心の欲は、身体の状況を無視し、壊れるまで続けます。いや、壊れても続けます。

人が、人にまで昇華する為には、様々な欲や思考レベルの制御をクリアし、自身を客観視する必要があり、それができていなければ、自分の意志で自分の人生を決めていません。

鳳凰堂の個人的見解ですが、古人もそのように考えていると思っています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?