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老子道徳経と中医学的身体観⑥

第六章は成象という副題がついています。

成象は、イメージの完成と解釈しています。

中医学的身体観では、太極(1つの枠組)の中では陰陽消長平衡を続け、それが解ければ陰陽は離決するとします。

一人の人の身体に気の循環があり、意識的に他の人と繋がれば二つの太極が一つに融合し循環するが、繋がりが解けると又それぞれが一つの循環をしていく。

質が変わるだけで、本質の陰陽は変化がなく、身体の循環では自然と一致した1日の気の循環、1週間(五行と太陽、月)の循環、2週間(五行の陰陽)の循環、1ヶ月(十二月辰の一つ)の循環、3か月(四季)の循環、六十甲子(六十年1循環の中の1年)の循環。

観る大きさは違いますが、これも気の変化を観ている事には変わりがありません。

物質的なものの中に潜む本質的なものを玄牝と呼んでいます。ある程度物質化、名詞化しなければ、人間は感得できていても、明確に認識できないから、言葉にする事で敢えて形にし、イメージをしやすくしている章と言えます。ここで、體道に戻って、「名可名、非常名」を思い出すことが大切だと感じています。

鳳凰堂流意訳

谷神は死ぬことはなく、玄牝(混沌とした陰)と呼ばれる。

玄牝の端緒を天地の根と呼ぶ。天地の根は綿綿として存在し、どれだけ使ってもなくならないからである。

直訳
谷神は死なず、これを玄牝と謂う。玄牝の門、これを天地の根と謂う。綿綿として存するごとく、これを用いて勤せず。

原文
谷神不死、是謂玄牝。玄牝之門、是謂天地根。綿綿若存、用之不勤。

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