養生訓 巻第八 育幼 鳳凰堂流解釈②
原文を現代文に改変
小児は脾胃もろくしてせばし。
故に食にやぶられやすし。
常に病人をたもつごとくにすべし。
小児は陽さかんにして熱多し、常に熱をおそれて熱をもらすべし。あたため過ごせば筋骨よわし。
天氣よき時は外に出して、風日にあたらしむべし。この如くすれば、身堅固にして病なし。
はだにきする服はふるき布を用ゆ。新しききぬ、新しきわたは、あたため過ごしてあしし。用ゆべからず。
鳳凰堂流意訳
小児は脾胃が脆く、中もまだ狭い。従って食によって脾胃がやられやすい。常に病人を看護するように気をつけてあげることが大切である。
小児は陽気がさかんな為に熱が多い。これを考えて常に熱をおそれ熱を洩らす事が大切である。あたため過ぎれば筋骨は弱くなる。
天氣が良い時は外に出し、風や太陽にあたらせるべきである。
このようにすれば、身体は堅固になり病にならなくなる。
肌に着せる服には古い布を用いる。新しい衣、新しき綿はあたため過ぎるので良くない。用いない事。
鳳凰堂流解釈
現代とはかなり違う考え方です。
鳳凰堂は、現代的な衛生観念よりも、この考え方を推奨しています。
但し、昔の考え方も冷やさないようにと言うと、頑なに冷やさずにいる人が多いですが、
貝原益軒が書いているように、小児は熱が籠もりやすく、陽長陰消が基準になるだけで、
陰から見れば冷やさないように、陽から見れば熱をどう発散させるかが大切となります。
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