見出し画像

養生訓巻第二総論下 鳳凰堂流解釈㉑

原文を現代文に改変

古語に、忍ぶは身の宝なりと言えり。

忍べば禍なし。忍ばざれば禍あり。

忍ぶは堪ゆるなり。恣ならざるを言う。

忿と欲とは忍ぶべし。

およそ養生の道は忿欲を堪ゆるにあり。忍の一字守るべし。

武王の銘に曰く、これを須臾に忍べば、汝の軀を全うす。

書に曰く、必ず忍ぶあらば、それ乃ち濟あり。

古語に云う、大の過ちは須臾忍ばざるに起こる。

これ忍の一字は身を養い、徳を養う道なり。

鳳凰堂流意訳
古い言葉に、耐える、忍ぶと言う事が身体を守り、養い、人生の終わりにはこの行為が貴重で貴く、宝だったと思えると書かれている。

耐える、忍ぶ事ができれば災いが起こる事はないが、それができなければ往々にして禍が起こる。

忍ぶ事は耐える事であり、欲しいまま、やりたいままにしない事を言っている。

怒りと欲は忍ぶべきである。

養生の道は怒りと欲を耐える事にある。忍の一字を守る事である。

周の武王の銘には、わずかな時間 耐え忍ぶ事で最終的には、人生の最後まで身体を健康に保てると書かれている。


書経には、常に忍ぶ心を持っていれば、あらゆる事の終わりまで全うする事ができると書かれている。

古い言葉には大きな過ちは、わずかな時間耐え忍ぶ事ができなかった事によって起こると言うものがある。

忍と言う字は身を養い、徳を養う道である。

鳳凰堂流解釈

自分の欲を欲しいままにしない事は総論上に何度も書かれていました。

このところ、優しい事が書かれていましたが、ここにきて又忍ぶ、耐える事を強調しています。

それ程心のコントロールは難しいけれど、うまく使いこなす事で、最後まで身体を健康に保つ事ができます。

上古天真論に書かれている、恬淡虚無への第一歩です。

怒りだけでなく、七情(感情)はエネルギーを大きく消耗します。

だからこそ、感情を抑え、自身すら客観視する事が大切です。

そして良い感情を少しだす事で、周囲に影響を与えると、自身の身体だけでなく、徳として周囲にも流し、身体だけでなく心や周囲の人まで良い状態で一生を終える事ができる指針、基準(道)となります。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?