見出し画像

養生訓 巻第八 養老 鳳凰堂流解釈②


原文を現代文に改変

老人は體氣おとろえ、腸胃よわし、つねに小児を養うごとく心を用ゆべし。

飲食のこのみきらいを尋ね、其寒温の宜しきをこころみ、居室をいさぎよくし、風雨をhすえぎ、冬あたたかに夏涼しくし、風寒暑濕の邪氣をよく防ぎてをかさしめず、つねに心を安樂ならしむべし。

盗賊水火の不意なる變災あらば、先兩親を驚かしめず、早く介保し出すべし。

變にあいて病おこらざるように心づかい有るべし。

老人は驚けば病おこる。おそるべし。

鳳凰堂流意訳

老人は身体の気が衰え、腸胃も弱くなっている為、常に小児を養うような気使いをする必要がある。

飲食の好き嫌いを尋ね、適度な寒温の配慮を行い、居間は清潔にし、風雨を防ぎ、冬はあたたかく夏は涼しくし、風寒暑湿の邪氣をよく防いで侵されないようにし、常に心が安楽になるように気をつける。

盗賊や水害、火事等の不意な変化や災害があれば、先ず兩親を驚かさないようにし、できるだけ早く介助、保護して避難するべきである。

変にあっても病がおこらないような心づかいが必要である。

老人は驚けば病がおこるので気をつける事。


鳳凰堂流解釈

腎気の衰えを身体の気と言い換えていますが、今現在の概念で言うと、基礎代謝や免疫力、運動能力の低下でしょう。

危険に対してある程度予測し、対処する心積もりは大切です。

しかしながら、ここには老人を大切にする心が庇護する事だけに特化しています。

しっかりと毎日心と身体を動かすよう仕向ける事も大切で、この2つが陰陽となります。

片方に偏ると結局生は全うしにくくなります。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?