略取と誘拐のややこしいところ。

法律の科目で言うと「刑法各論」と言う講義でやるところなのですが、 略取というのが、暴行・脅迫で連れ去る方、誘拐と言うのが甘言を弄する方のイメージ。 今回の事件で、捕まった被疑者が被害者に接触した時点で、被害者が家出の意志を固めていたというのであれば、誘拐さえ成立は難しいかもしれない。また、実際に家出した後に場所を提供して、その後帰さなかったというのであれば、監禁罪だけの問題になりかねない。被害者が未成年者であるから、一応、本人の意思に従って、環境を変えたとしても保護権の侵害にはなり得るので、誘拐罪の問題にはできるかと思われるけれど。 実際「悪いことをしたと思っていない」と供述しているということだけれど、これは法律の錯誤という、故意の問題で、故意の成立にはあまり影響しないというのが通説的見解。こういう刑法各論のややこしいところを知らなくても、未成年者だとか、場所の移動とか、評価を含まない生の事実を認識すれば足りるということになる。

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