基礎練習に明け暮れる。

勉強といっていいものなのか分からないけれど、最近コラムと小説の模写を始めた。

コラムは各新聞のコラムを集約しているアプリで全て目を通して、その中で気に入ったコラムを2つノートの写す。小説は好きなものを、2時間くらいキーボードで打っている。

休職中の今だからこそ時間をとってやることができる。

始めたばかりなので大きな成果が目に見えているわけではないのだが、確かに文章に対する力はついていると感じている。

コラムの文章の流れ。雑学。そして小説の文章表現。効果的な言葉遣い。

どちらもやりながら何か懐かしい感覚を思い出していた。学生時代の部活の基礎練習だ。


学生の頃はずっと吹奏楽部だった。フレンチホルンを吹いていた。

サッカーや野球などの運動部と一緒で、演奏技術はどれだけ日頃の基礎練習を積み上げてきたかにかかっている。ブレることなく綺麗な音をのばすロングトーンをはじめ、音が変わった時のムラをなくすための音階練習、跳ねる音や力強い音などの幅広い表現を行うための様々なタンギング練習、などなど。基礎練習といってもその実際は幅が広い。

ひとつひとつはつまらない練習に見えるかもしれない。基礎練習に華やかさなど求めていないから。でも、自分の音や技術そのものに向き合って基礎練習を重ねてきた人は確実に他の人とは違う。私だって演奏していた当時はある程度周りに演奏を褒められたのだが、それは毎日続けてきた基礎練習のたまものだと思っている。

基礎練習の時間って、瞑想に似ていると思う。

ひたすらに今の自分の技術を見つめる、自分自身との対話の時間。

そして、よりよい技術を目指したいと、貪欲になる時間でもある。

静かなようで、水面下で激しく闘志を燃やしている。


そんな時間が好きだったことを思い出しつつ、社会人の基礎練習があればなあ、なんて思ってしまう。

できれば考えるだけでなくて、確実に手や身体を動かすような。

まあ、私はそんな都合のいいものは見つけられなかった。

ただ、こうやって模写することが書くことの基礎練習とわかってしまえば、途端にやる気は出てくるわけだ。趣味で書く小説の為の基礎練習でもあるから、仕事にどう使うのか謎なのだけれど。

好きなことの基礎練習だから余計に楽しい、というのもある。


少しづつでも、身になってくれると願って。

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