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本を読むのが少し楽しくなるトリビア

著者になってから、本の見方や本に対する考え方など、いろいろ変化しました。より本に興味を持ってもらおうといくつか紹介したいと思います。

◆〜著者は知ってる本のトリビア

ほとんどの著者は知っているが、読者は知られていないことがあります。本を執筆する時に説明を受け、「だからそうなっているのか!」と納得したことをまとめてみました。少し本を読む時に意識してみると、楽しくなるのではないでしょうか?

トリビア1:本は8や16の倍数で出来ている。
これは印刷の機械と効率化の観点からこのようになっています。大きな紙に片面8ページ、両面使用して×2の16ページを一気に印刷します。その後、裁断して束にします。そのため、大抵の本がこの8や16の倍数で構成されているのです。

トリビア2:章トビラの位置
縦書き(左側から右へ開く)の本の場合、第*章と言うページ(これを章トビラと言う)は左側に位置し、めくってからその章の本文を読むようになっています。横書き(右側から左へ開く)本の場合は右側に位置し、同様にめくってから本文を読むようになっています。これは「トビラは開くものだから」という理由でこのようになっているらしいです。

トリビア3:空白を許容するかしないか
章トビラは必ず左右のどちらかに配置するのは一般的であると説明しました。出版社や編集者の対応によって異なりますが、章トビラの前のページが空白となってしまった場合、空白を許容しない時は無理やり文章を増やしたりして調整します。あるいは、『コラム』『インタビュー』という形で空きページを調整するのです。

トリビア4:8の倍数、16の倍数に収めるコンテンツ
本の巻末を8の倍数、16の倍数に収めるために、索引の余白を調整したり、何列にするかで調整することもあります。それでも余った場合、大きな出版社だと自社の広告を入れることもできます。そうやって何とかページ数ぴったりに収まるよう工夫するのです。

トリビア5:出版社が重要視している『はじめに』
出版社は「なぜ、この人が、この内容について書く必要があるのか」を重要視します。その「はじめに」を読んで、上記の問いに答えられなければ、前向きな話が出来ないことが多かったです。逆に言うと、「はじめに」にはそれぐらい著者は意識して書いているのです。

トリビア6:モノクロ・2色刷り・4色刷り
モノクロ印刷の方が圧倒的に安くなるため、価格を抑えることができるます。けれども、モノクロでは説明できない場合、読みにくい場合など、カラーを使います。2色刷りと呼ばれるものは、モノクロと特定の一色の濃淡で色を表現する。4色刷りはフルカラーで出力ができるがお値段が高い‥。当然価格に反映されてしまいます。

本の一部がカラーである場合、8の倍数、16の倍数ぴったりに収めることができれば、その折のみカラーで印刷し、他のページをモノクロで印刷しています。そうすることで価格を抑えることができるのです。このような本は、出版社・印刷業者の苦労の結晶で成り立っているのです。

トリビア7:委託販売・再販制度のため、表紙カバーは多めに印刷する
一般的に本は委託販売の形式をとり、全国の本屋さんに配られます。そして、売れ残った本は返品することが可能になっています。返品された本はどうなるのでしょうか。

本当に汚れたり、折れたり、破られているものは捨てることになりますが、ある程度綺麗なものは、本の上下横を研磨して、表紙カバーをかけかえて再度出荷します。表紙カバーがあるのは、この委託販売と再販制度がある日本独特の文化なのかもしれません。外国の空港でカバーのない本を見たことはないですか?

トリビア8:帯ってなんで付いているのか?
端的に言うと広告です。「**万部突破!!」と書かれた本を見ると、「おやっ!」と思いますが、本の表紙デザインとして組み入れたくありません。売れたら売れた分だけ、表紙を差し替えていく必要があります。しかし、帯だけ新しいものに差し替えれば、わざわざ表紙デザインを変更することなく、「10万部突破!!」から「50万部突破!!」と宣伝内容を変更することができます。本の倉庫では、帯の差し替え作業を代行してくれるところもあります。

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いかがでしたでしょうか。著者は著者でページ数と戦っていたり、出版社はいかに安く提供できるか、工夫している箇所が見え隠れすると、本を手にとった時、またちょっと違った見方が出来るのではないでしょうか。

他にも、業界標準として遵守した方が読者にとっても馴染みのある文化やそんなの関係なくない?みたいなものまでまだまだあります。でも、そんな業界標準に従わず、全てのことに意味のある選択をして出版に至った土日出版のこちらの本も是非読んでください!


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