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テーブルトークRPGって最高の教育ツールだよねって話

人生いろんな事にチャレンジして、デザイナーから大学准教授、占い師から料理研究家、映像制作などなど、いろんなお仕事をしてるわけですが、

振り返ってみると、未知の世界を恐れずに色々挑戦出来たのは、
友人と長年やってきたテーブルトークRPGのおかげだなーと
しみじみこの間久しぶりにオフラインセッションをして感じたのでした。


テーブルトークRPGってなあに?


テーブルトークRPGは現在のコンピューターRPG(ドラクエとかポケモンとかね)の原点になったボードゲームのような遊びで、文字通りロールプレイングゲーム、要は複雑なルールが存在するごっこ遊びなんですな。

僕らが遊んでるのはマニアックなガープスというルールで、これは
あらゆる世界感で遊べる汎用RPG。同じゲームのルールでポケモンから東京タラレバ娘、グラップラー刃牙にナニワ金融道、と、どんな世界でも遊べるわけです。


テーブルトークRPGではコンピューターの代わりにゲームマスターと呼ばれる司会進行、兼シナリオライター、兼演出家、兼NPC演者が妄想と知識を武器に毎回数時間のセッションを作り上げ、その世界の中にプレイヤーの皆さんは自分ではない誰かになって演じ、課題に直面して苦悩し、解決策を見出していきます。

これはいわば壮大な思考実験なわけでして、コンピューターRPGと違い、どんなことでも可能です。


自由な思考実験が着想力と問題解決力を鍛える


正攻法である必要はまったくなし。
異世界モノで運送業者を開業してもOK。ドワーフの引っ越しを手伝ったりしながらやがて運送界を牛耳り、海峡をおさえて物流を封鎖したり関税を釣り上げたりして魔王を政治的に追い込んで失脚させ、自分の息のかかった豪族を魔王軍の次の代表にしたりしてるうちに、ゲームマスターもプレイヤーも想像力の解像度が上がっていき、
「こういう行動すると、こういう結果が考えられるよね」
というシミュレーションがとっても上手になっていきます。

そして自由で破天荒なファンタジーゲームであるがゆえに、一見無謀で危険に見えるアイデアにこそ解決の糸口がみつかること、誰もが思いつかないからこそ、裏をかいてゲームに勝つことが出来ることなどを学んでいきます。(結構大事なところ。ファンタジー世界くらいかけ離れた世界じゃないと
自分の思考のパターンから逸脱して問題解決を測れないんです。)

そんなもう一つの世界の経験値が、明らかに長年ゲームをしてきた我々の人生の糧になってきてるわけです。


ごっこ遊びは普遍の教育ツール


しかしよくよく考えてみれば、人類共通にして原初の教育ツールとは
子どもたちが自発的に行う「ごっこ遊び」に他なりません。

家事や狩りなど大人の仕事を模倣して演じ、遊んでいくうちに
子どもたちはいつの間にかごっこ遊びの情報空間の中で
高度なシミュレーション行っています。

サピエンス全史の著者、ユヴァル・ノア・ハラリは
人類最大のイノベーションは認知革命から始まったと言いました。
認知革命とは今ここに存在しないファンタジーを作り出して共有する能力を
偶発的にホモサピエンスが獲得した出来事のことです。

この虚構の世界を作って疑似体験する能力こそ、人類最大の武器。
テーブルトークRPGのような遊びは高度にルール化されたごっこ遊びであり、人類普遍の教育ツールになる可能性を秘めてると思う次第です。

先日もちょっとした揉め事に巻き込まれた友人に
かんたんなボディーガードを頼まれました。
身体の小さい人が、密室の中で気性の荒い大男に対して強めの要求をしないといけないというミッション。
私はその交渉の場に座り、荒事にならないようにニコニコしてるだけ
という仕事でしたが、比較的落ち着いて任務を遂行できました。

この手の話、異世界でたくさん経験しており、どういう言動が危険を招くか、身体で理解しているからです。笑
RPGでの経験がなければきっと怖くて断っていたと思います。


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