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「超人的な能力」が存在した世界を想像できるだろうか?【ヒロアカ】

唯一無二のスキルや超人的な能力は、少年漫画につきものですよね。

例えば、ナルトは九尾の力があって、ルフィはゴムゴムの実を食べた能力者です。(最近では覇王色なんていう+αの才能も見つかったみたいですね)

少年漫画では、主人公が努力を経て才能を開花させるストーリーは王道のパターンです。才能のあるライバル達と切磋琢磨していく姿は、とても熱い気持ちになります。


ただしそういった活躍は、主人公が隠し持っている才能や能力を開放する機会に恵まれたから得られたものです。そしてその能力がみんなよりも高かったから、活躍できたんですね。


ではその逆を考えてみましょう。「みんなが才能を持っていて」「能力を出してはいけない社会」では、そんな熱い展開になるのでしょうか?


そんな誰しもが能力を手に入れた社会を描いているのが、今回の漫画「僕のヒーローアカデミア」です。

僕のヒーローアカデミア(23巻 連載中)

「“無個性”」という能力を持たない主人公が最高のヒーローを目指して成長していくヒーロー漫画作品。
wikiより

話の本筋としては、ヒーローを目指して主人公がヒーローアカデミアに入学します。そして、悪の組織連合と戦っていくという王道ストーリーです。

ただ、今回話したいのはその部分ではありません。この漫画がどう面白いかということです。

この漫画の面白さがどこにあるのかというと、まず設定がとにかく社会の仕組みを気にして作られているところです。


想像してみてください。人を簡単に殺せるような特殊能力を持った子供が突然生まれたら、社会はどうなるでしょうか?

もちろん抑制しますよね。この漫画でも、公共の場での特殊能力の使用は禁止する社会ができています。

一方、そんな特殊能力があったら犯罪も犯しやすくなるわけです。そんな特殊能力による犯罪を取り締まるのが「ヒーロー」の役目です。

ヒーローの資格を持ったものだけが、人助けや犯罪者に対してだけ、能力を使うことを許されるのです。

確かに、ちらほら出てくる犯罪者を近くにいるヒーローがやっつければ、上手くいきそうです。ただし、この仕組みには圧倒的な欠点があります。それは、組織犯に弱いということです。

この漫画で、中盤から最新刊にまで続いていくのが、悪の組織犯との戦いです。ここで面白いのは、社会的な抑圧のせいで悪の組織犯にもファンが一定数つくということです。社会に対する不満が溜まっている人はどこの世界にも一定数いて、そんな人達は反社会勢力として一致団結するんですね。


悪の組織犯の思想は、現状のヒーロー社会をぶっ壊して自由になる、というのが基軸です。そしてそれを止めて現状の社会を守るのがヒーローです。

人々のために自由を求める側と、平和のために自由を抑圧する側、果たしてどっちが正義なのか。そして、正義とは何なのか。

そういう部分についても考えさせられる漫画です。ただ戦闘や特殊能力をただ楽しむのではなく、それぞれの正義について一度考えてみても面白いですよ。オススメの漫画なので、ぜひ書店で手にとって見てください。

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