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偽装建築とは何をしているのか?【感想:レオロジーの世界】

「液体」「固体」

では、液体と固体の混ざったものは、何に当たるのでしょうか?

半固体状で、複雑な動きのする流体について調べるのが「レオロジー」という学問分野です。

今回は、そのレオロジーという分野の中でも、面白い部分をピックアップしてお話しましょう。


【感想:レオロジーの世界】

ニュースでよく 地盤建築の偽装というのを耳にします。 これは「コンクリートに水を混ぜること」が問題になります。

水の多いコンクリートだと流動性が良くなり 地盤工事がスムーズに進みます。 例えば、コンクリートを均等に埋めるためには、振動させる必要があるのですが、そういった工程も水を増やすことで、省略することができるようになります。しかし一方で、 水が増えると 強度が低くなる という問題があります。

こういった問題は、コンクリートが特殊な流体であるということが原因で起こります。 コンクリートは水の中に砂利などの粒子が入っており、こういったものは 「ダイラタンシー流体」と呼ばれます。

ダイラタンシー流体は、 水の中にきっちりと粒子が入ってるものをイメージしてください。 こういった流体は流れにくいですが、水を増やすと簡単に流れるようになります。 そこで偽装建築では、 コンクリートに水を増やすという考えに至るわけです。


身近な例1「砂浜」

身近なダイラタンシー流体として、わかりやすい例が2つがあります。 まず1つ目は、海の 砂浜です。砂浜では砂の粒子がぎっしりつまっているので、 少し濡れた砂浜は力を加えると急に硬くなります。 よって砂浜は走る速度が早いほど、あまり沈まずに 走り回ることができます。


身近な例2「水溶き片栗粉」

2つ目は片栗粉です。 片栗粉はただのネバネバした食べ物と思われがちですが 、実際は特殊な流体です。 特殊な流体だからこそ、あんかけのような独特の食感を感じることができるのです 。

片栗粉はゆっくり混ぜると混ざりますが 、
速度を上げて混ぜると 硬くなるという性質があります。 これもダイラタンシー流体の特徴です。

この、ダイラタンシー流体というのは、特殊な流体であり、世の中に少ないです。もし、ダイラタンシー特有の「変な感じ」を味わってみたい人は、片栗粉多めの水溶き片栗粉を作ってみてください。速くかき混ぜてみると 、今まで感じたことのない感触を味わうことができると思います。


今月は学習に関する内容をたくさん発信しています。良かったらそっちも見てみてください。


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