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「日本再興戦略」に学ぶ日本の理想像【第六章:教育】

第六章は教育に関する内容です。ずっと問題視されている業界ですが、どう変わるのが正解なのでしょうか?

この章だけでも内容は理解できますが、以前の章を読んでいたほうがすんなり理解できると思います。前章は以下からどうぞ。

一括教育の廃止

時代とともに、一括の横並び教育が問題となってきました。2章でもお話しましたが、産業革命期において人から人へノウハウを伝える上では、一括教育はとても役に立ちました。しかし、今はこの一括教育が足を引っ張っています。

ITによる自動化やクラウドソーシングにより、個人で何でもできる時代になりました。そんな世の中で求められるのは、「すでにある仕事をできる人材」よりも「新しい価値を生み出す人材」なのです。

新しい価値の根源は「多様性」

新しい価値を生み出すための地盤として、人々が多様性を持つことが非常に重要です。つまり、個人の中に多様性を持てるような教育が必要なのです。

そのためには各個人に強みを一つ作る必要があります。一人ひとりの強みが違えば、大きな多様性を生むからです。

その基盤を作るために何をすべきか?それは、子供が興味の湧いたことをとにかくやらせるような教育です。一対一の教育がお金がかかると心配であれば、大学生のベビーシッターなどでもよいです。教育のプロである必要はなく、子供が夢中になれる環境をまずは整えるべきなのです。

現代ではあまりにも子供をコントロールさせようとしすぎています。誰にも今後の世の中の流れは予測できないのであれば、使えなさそうなことでもスキルになるかもしれません。夢中になれることなら、人に負けないだけのスキルはすぐに身につくはずです。自由に、そして夢中にさせてあげましょう。

大学入試が無個性を生む

強みを作るためには、高校教育を変えなければなりません。センター試験があまりにも無個性を生む制度だからです。現在のような大学入試の標準化を大きく変更し、個性を評価できる入試にする必要があります。

大学に入ったらすぐに研究を始めれば、得意分野をすぐに持つことができ、本人の自信にも繋がるはずです。一つの分野でも最先端の技術を学べば、その専門家になれます。

一つの分野を極めた人材であれば、就職活動も簡単です。従来のように会社を選ぶのではなく、個性を活かすための仕事内容で選べるようになります。マッチングが重要になるので、現在の大量に面接をする試験内容も時間をかけて適合性を確認する試験に変わるでしょう。

英語は必須ではない

英語はできたほうが良いが、必須ではありません。会話をとにかくできるようになっても、翻訳の進化によって他人と差別化できるようなスキルにはならないでしょう。

ただ話すことよりも、論理的な文脈で書けるほうが大事です。論理的な文脈というのは、一朝一夕でできることではありません。しかし、必ず必要となるスキルです。絶対に必要になるので、身につけておいて損はないでしょう。


全体的に現状の教育を避難する内容になっていますが、日本の教育が悪いというよりも、教育を一括管理してシステム化するのが難しくなってきているのだと思います。個性を伸ばすためにはその分の選択肢が必要で、その地盤を整えるのは相当難しいでしょう。地域の大学生の家庭教師などによって、上手く多様性のある教育システムができるのが理想ですね。

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