イケテナイ伝書鳩になっちゃうプロマネの話

【伝えたいこと】
・プロジェクトを進める上で、進捗が悪かったり、自分自身のタスクが多くなっている時に常に気をつけてほしいこと
・プロジェクトを進める上で、他社の動きが遅いときに常に気をつけてほしいこと

規模を問わず何かプロジェクトや仕事を進める上で、必ずなってはいけないのが「イケテナイ伝書鳩」になることだと思っています。
伝書鳩とは、「離れた土地から通信文を運ぶように訓練したはと」のことです。
つまり誰かが言ったことを、いかに正確に他の人に伝えるかを頑張っている状態です。

この定義だけ聞くと、「なぜそれがそんなにダメなことなんだ?」となる人もいると思います。
ただこの状態になっていると、経験上、仕事が自分が思っている期日通りに終わらなかったり、自分の頑張りと反比例してプロジェクトが進まない一番の原因になります。

理由を端的に言うと、「意味を理解していない状態で、自分が代わりに他人に何かを伝えることで、意図や背景がわからず不正確に伝わってしまう」からです。


かく言う自分自身も、この観点を持てていなくて痛い経験をしてしまったことがあります。
某社のLINE連携サービス(社内のユニークIDとLINE IDを紐付けるサービス)を社内導入した時の話です。

先方のプロマネは、よくある話なのですが、あまりシステムの仕組みを分かっていない方のようでした。
また先方の会社の都合でSlackの利用ができず、こちらの開発メンバーから出る質問も、先方の開発メンバーではなく、そのプロマネを通して間接的に確認するということしかできないと言われプロジェクトが始まりました。

プロジェクトが始まって早速問題が起こりました。
向こうのシステムはすでに完成したパッケージのはずなのに、仕様が1週間、2週間、3週間経っても把握できない。
先方から出てくる回答が日によって変わったり、頻繁に訂正されたりする。

口頭であれば5分で済むような確認が、冗談ではなく5日かかってしまう。
レスポンシブルでないだけならいいですが、相手のプロマネを挟むことで、内容が漏れたり・正確に伝わらないことで、意図していない回答が返ってきてしまう。

最終的にはこちらの役員を巻き込み、向こうの役員を呼び、コミュニケーションフローの大きなテコ入れ(slackの導入)を行いました。

自分の反省点としては、このプロジェクトの進みが遅くなる状況を早くから察知し、先回りして動けなかったことだと思っています。
今ではプロジェクトを始める・進める上で、どのような手段で誰と誰がコミュニケーションを取る必要があるかを常に考えています。


ただなぜこのような状況が起きたのでしょうか?なぜ先方のプロマネは、どんどんプロジェクトが遅れている状況を改善できなかったのでしょうか?

今回「イケテナイ伝書鳩」になってしまった相手のプロマネがどういう行動を取っていたかというと、彼はどうにかして僕らから確認した情報を伝えようと躍起になっていました。
ただシステムのことを理解していない彼がどれだけこちらの開発の言葉を、向こうの開発メンバーに伝えようと思っても、当然判断・回答できる内容でない以上、そこは頑張るべきポイントではなかったとおもいます。

いかにシステムを理解している者同士で直接コミュニケーションさせるか、つまりコミュニケーションできるフロー(会議体やツール)をどう担保するかを考えるべきだったとおもいます。

文章で読むと「そんなことにならないでしょ」と思いますが、必ずこれを意識できず苦労することが一度はあります。
社内で小さなチームを組んで仕事をしている場合でも、例えば「決定した意図は腹落ちしていないけど先輩社員同士が納得しているから・自分が質問して聞くのは理解していないと思われて嫌だから言わないでおこう」、という状態になった瞬間に「イケテナイ伝書鳩」になりうる可能性があります。

上司になぜそうしたのかを問われたとき、それが説明できますか?
そのときは、「イケテナイ伝書鳩」になっていないかを思い出してほしいです。

おわり

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