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5分で分かる子宮頸がん20「筋肉内注射とは?」


皆さんはひとくちに注射といっても、種類が様々であることをご存じでしょうか?目的ごとに注射する部位が異なり、主に皮内注射、皮下注射、静脈内注射、筋肉内注射の4つに分類されます。

子宮頸がんの予防に効果的とされるHPVワクチン接種は、新型コロナウイルスのワクチンと同じく「筋肉内注射」という方法が用いられています。
そこで今回は筋肉内注射とは何か?他の注射方法との違いも含めて解説していきたいと思います。

1. 筋肉内注射とは?

筋肉注射とは文字通りワクチン等の医薬品を筋肉内に注射する方法のこと を指します。血流が豊富な筋肉内に注射をうつため、医薬品の吸収速度が速く、比較的に即効性が高いとされています

また、筋肉内注射というと「痛い」という検索ワードもよくみかけられますが、実際には筋肉は皮膚と比べて痛みを感じる神経が少ないとされています。そのため、他の注射方法と比べてむしろ痛みや腫れが少ないという研究結果もあります。¹

2. 筋肉内注射と皮下注射

冒頭部で4つの注射の種類をあげましたが、そのうちワクチン接種に使用されるのは主に「皮下注射」と「筋肉内注射」の2つになります。両者の主な違いはワクチンの注射部位・吸収速度と注射局部の症状にあります。

筋肉内注射はワクチンの吸収速度がはやく、即効性があるとされているのに対して、皮下注射は比較的穏やかで持続性があるとされています。また、筋肉内注射は腫れ・痛みが少ないとされる一方で皮下注射は腫れ・痛みが出やすいとされています。² ³ 例えば、インフルエンザのワクチン接種後(皮下注射)に腕の腫れを経験されている方も多いのではないでしょうか?

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3.なぜHPVワクチンは筋肉注射なのか?

それではなぜ、HPVワクチンは皮下注射ではなく筋肉内注射で接種するのでしょうか?その理由として、筋肉内注射は皮下注射よりも①抗体産生が良好であること、②局所の副反応が少ないことの2点が上げられます。世界的にはワクチン投与は筋肉注射で行うことが主流であり、HPVワクチンに関しては日本もそれに則った形になります。⁴ 


以上筋内内注射に関する簡単な説明でしたが、いかがでしたでしょうか?筋肉に注射をうつ、と聞くと不安に思う方も多いのではないかと思います。少しでも事前知識をもつことで、リラックスして接種していただければ幸いです。

参考文献

1:「新型コロナワクチンQ&A」『厚生労働省 新型コロナワクチンについて』〈https://www.cov19-vaccine.mhlw.go.jp/qa/0022.html〉閲覧日2021年10月27日

2:「くすりのタイプ(形)」『中外製薬』〈https://www.chugai-pharm.co.jp/ptn/medicine/body/body008.html〉閲覧日2021年10月27日

3:「【医師監修】インフルエンザの予防接種は筋肉注射?皮下注射?それぞれの違いも解説あり」『健栄製薬』〈https://www.kenei-pharm.com/general/learn/influenza/6305/〉閲覧日2021年10月27日

4:香河和義「皮下注射と筋肉注射の違いは?」『一般社団法人広島県医師会健康情』〈http://www.hiroshima.med.or.jp/kenmin/monshin/018044.html 〉閲覧日2021年10月27日


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【この記事を書いたのは】学生インターン 三井日紗子  普段はHatch Healthcare株式会社で、PR活動を担当。

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