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子宮頸がんの外科的治療と費用の内訳

皆さんは入院した際に掛かる費用がどれくらい必要かご存知でしょうか。

がんの治療は高そうというイメージは皆さんあると思います。生命保険に入っていても一時的に窓口で会計をしなければなりません。いざという時不安ですよね。


今回は子宮頸がんで行われる外科的治療法と実際に掛かる費用と治療費を計算するD P C制度についてご紹介させて頂きます。



1.子宮頸がんの手術は全部同じなの?

一口に子宮頸がんと言われても、人によって良性・悪性、進行状況が違い、状況に応じて治療費も違ってきます。そして子宮頸がんの術式は数種類あり、今回は代表的な術式の中から3種類をご紹介します。


・円錐切除式
子宮頸がんの手術の中で早期にがんを発見できた時に行われる術式です。入院日数と費用も他の術式に比べて負担が軽いです。

・広汎子宮全摘出術
ある程度進行した子宮頸がんに用い、子宮頸がんの基本的な術式です。進行した子宮頸がんの転移を防ぐために行われます。

・準広汎子宮全摘出術
広汎子宮全摘出術を適用するほど、がんが浸潤していない場合や年齢に応じて切除範囲を小さくする場合は、こちらの術式を用います。

2.手術費用はどれくらいかかるの?
それでは術式によって入院日数と費用の違いを見ていきましょう。

・円錐切除式→費用:6万円程度 入院日数:3日程度
・準広帆子宮全摘出術→費用:50〜60万円程度 入院日数:14日程度

上記の入院費概算は3割負担の金額です。がんを早期に発見できた場合に用いる円錐切除では入院日数も費用も圧倒的に負担が軽いです。子宮全摘出になってしまうと入院日数も12〜14日で円錐切除に比べて4倍以上。費用も10倍近く変わってきます。また、子宮全摘出になると退院から社会復帰まで2〜3週間掛かるのが一般的だそうです。
これだけを見ても子宮頸がんの検査をして早期に発見する重要性が高いことが分かります。

3.入院費用ってどうやって決まるの?
入院費用が想像つかない人も沢山いると思います。それがどうやって算出しているか、人によって金額が大きく変わってくるのか、そこを解説したいと思います。

日本の多くの病院で包括医療費支払い制度方式(DPC)を採用しています。

DPCとは同じ疾患で病院によって入院費用や提供する医療の質の均一性を保つために出来た制度です。


上の図のように包括評価部分と出来高部分が合わさったのが入院医療費になります。

包括評価部分は「疾患ごとに国が決めた点数✖︎在院日数✖︎医療機関別係数」で算出されます。医療機関別係数は病院によってカテゴリー分けされていて、ほとんど病院は同じ値です。大学病院など高度な医療を提供する施設が若干高い値に設定されています。食事代や特別室の費用は包括評価外なので従来どおりの請求がされます。
DPCがあることによって金額が患者に分かりやすくなったメリットもあります。疾患ごとの入院概算費は病院のホームページにも書いてある所もありますので、是非ご覧になってみて下さい。

今回は子宮頚がんに掛かると費用とDPC制度について書かせて頂きました。がん治療は高額になりやすいのは事実です。費用面から子宮頸がんを見ても早期発見•早期治療の重要性が高いことが分かりました。検診や予防の必要性を自分で考え、健康で充実した日を過ごせるように生活していきたいですね。

『参考文献』
(1) 日本赤十字社 和歌山医療センター 入院費用のお支払い・包括医療費支払い制度・高額療養費制度について

https://www.wakayama-med.jrc.or.jp/annai/nyuin_menkai/nyuin_7.html

(2) 九州大学病院 包括評価算定による料金

https://www.hosp.kyushu-u.ac.jp/nyuin/prescription/hyouka/


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