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我が家の長女、ハリネズミのむぎちゃんの話

忘れもしない、2017年の9月9日。
夫との入籍の手続きを済ませ、その足で向かったのはペットショップでした。
入籍日当日のお迎えを決めていたハリネズミを見に行った日です。

元をたどると、その数週間前。
夫が突然「ハリネズミいいな」と言い出したのです。
目の前にはTVに映るかわいらしいハリネズミの映像。
もともと私が動物好きでペットを飼いたいとずっと言い続けていたこともあり、
「ハリネズミかあ。ありかも・・・」と軽い気持ちでOKしました。

きっかけなんてそんなもの。
恥ずかしながら我が家も最初は、空前のペットブームに乗ってしまった消費者の1人なんです。
しかしながら、この時の夫の一言が私の人生を少しずつ変えたのかもしれません。

そしてペットショップへ。
当時はハリネズミが大流行しており、大きなケースの中に何匹もハリネズミが入っていました。
(この時は飼育環境の劣悪さなんて気づきもしなかった私。本当にお恥ずかしいことですが・・・)
その中から、たくさんのハリネズミの上をのしのしと歩く個性的な女の子が気になり、その子をお迎えすることにしました。

お迎えしてすぐのむぎ。
シナモンというカラーのハリネズミです

名前は「むぎ」と名づけ、大きなケージや回し車、餌と共にハリネズミの飼育本を買ってお持ち帰り。
そこから我が家のペットライフがスタートしました。

お迎えした最初の段階は楽しさより不安が大きかったことを覚えています。
ハリネズミは夜行性なので昼間は寝ているのですが、初めて飼ったペットの様子が不安で仕方がなくて。
ちゃんとご飯食べてくれるかな。息してるかな。暑くないかな・・・

まだ9月で暑い日もあったこともあり、エアコンがちゃんと稼働しているか急に不安になって会社を早退する・・・なんていう日もありました。
夜間にちゃんと動いているかも不安で、ペットカメラを設置し毎日様子を観察していました。

ハリネズミのお世話って実はかなり大変なんです。
かなり偏食な生き物で、フードは流通しているほぼ全種類を試しました。
その中で食べてくれたものを毎朝夕、ふやかして与えます。
回し車を回しながら排泄するため、足がすぐ汚れるから頻繁なお風呂が必要。
そのくせストレス耐性に弱く、嫌なことをされるとすぐに緑色のフンをしながら針を立てます。けっこう痛いです。
なによりも群れで生きる生き物ではないため、人にもあまり懐きません。
我が家のむぎは特に触られるのが嫌いな子だったので、私は触ることもできず。触らないとお世話もできないので、とても悩みました。
ハリネズミカフェへ通い、ハリネズミを触る練習もしました。笑

そんな努力もあり、1年半ほどでやっと「触っても嫌がられない」ようになりました。

最初はこんな寝姿も見られませんでした

今現在、我が家には犬とモモンガが住んでいますが、
正直ハリネズミ飼育の大変さは圧倒的だったと思います。
でもそんなハリネズミを飼っていたからこそ、他の生き物をお迎えしても「まあ、そんなもんだよね」と寛容になれる自分がいる気がします。
そしてここまで手がかかる生き物だからこそ、とってもかわいくて愛おしいんですよね。

そんなむぎとの生活は2020年に幕を閉じました。
ハリネズミは寿命が3年程度。
マイナーなペットだからこそ治療方法が確立されていない病もあります。
むぎは腫瘍を持っており、様子がおかしいと気づいた数日後には亡くなってしまいました。

家族を失った当初は「私がもっと早く気づいていれば」と自分を責めて、ペットロスにも相当苦しみました。
それでもやっぱり、生き物と暮らすのは楽しくて幸せ。
むぎが家に来たことがきっかけで、我が家にはモモンガが増え、犬までお迎えし、毎日賑やかに生活ができています。
そして動物福祉にも興味を持つようになりました。
全てのきっかけをくれたのはむぎ。今でも我が家の大事な長女です。

むぎが暮らしていたケージや設備は、今も全て大切に取ってあります。
あんなに大変だったけれど、それでもいつかまた、ハリネズミと暮らしたいなあ。と思っています。

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